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フィギュア

「恐怖を感じた」坂本花織がジュニア大躍進に脅威も「自分もやってきたこと。日本の未来は明るい」と大歓迎【全日本フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.12.25

追う立場から追われる立場に変わった坂本。ジュニア世代の成長に恐怖を感じながらも彼女は競争を大歓迎した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

追う立場から追われる立場に変わった坂本。ジュニア世代の成長に恐怖を感じながらも彼女は競争を大歓迎した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 4位には同じくジュニアを主戦にする14歳の中井亜美。彼女もトリプルアクセルを武器にしており、フリーではトリプルアクセル+3回転トゥループのコンビネーション完璧に決め、3本目もアクセルにチャレンジした。着氷はわずかに乱れたが、その後もダイナミックなジャンプで氷上を躍動した。

 大舞台で確かな爪痕を残した14歳は「トリプルアクセル+3回転トゥループは自信を持っているジャンプで練習通りできた。2本目(トリプルアクセル)は挑戦したい気持ちだった」と会心のフリーを振り返った。憧れの選手は浅田真央と語る14歳の瞳は、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場を見据えていた。

 5位の千葉百音は11月の全日本ジュニアでも2位となっている。「雰囲気はジュニアとは全然違う」と語った17歳は、来シーズンからシニア転向を示唆しており、来季に向け大きな収穫を得たようだ。

 6位の吉田陽菜、8位の櫛田育良、10位の柴山歩は同じ木下アカデミー所属。櫛田は「切磋琢磨し合えて嬉しい」といい、高いレベルで競い合える環境を喜んでいる。
 
 ジュニア世代の大躍進について、優勝した坂本は「恐怖をすごく感じている」と驚愕しつつも「ジュニアが育っている日本の未来は明るい」と歓迎している。

「10年前に自分もやってきたことなので。22歳になって、本当に自分たちが10年前は(浅田)真央ちゃんとかが最前線で戦っていた時なので。本当にジュニアが上がってくる恐怖っていうのを、今すごく感じている」

「オリンピック選手としても、世界女王としても、いろいろなプレッシャーがある中で、上の人たちはそれをひっくるめて素晴らしい演技をずっとやり続けていた。その難しさにこの年齢で気付けたし、こういう経験ができて嬉しいし、本当に大変なことだと思うけれど、この大変さを味わい続けていきたいなって感じていて。ジュニアが育っているのは日本の未来は明るいなと思います」

 日本女子フィギュア界には、今後どんな未来が待っているのか。今大会は大きな期待を抱かせてくれた、史上最高レベルの戦いになったのではないだろうか。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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