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格闘技・プロレス

Bellatorの本気度を示した大将AJマッキー。元王者が抱えていた“日本で負けられなかった”理由「父のためにも勝ちたかった」

橋本宗洋

2023.01.02

RIZIN屈指の技術力を持つサトシ(左)の寝技にも打撃を駆使して見事に応戦したマッキー(右)。写真:永島裕基

RIZIN屈指の技術力を持つサトシ(左)の寝技にも打撃を駆使して見事に応戦したマッキー(右)。写真:永島裕基

 試合はBellatorとは違いリングで行なわれ、ルールもRIZIN独自のものだった。ゆえにマッキーは「ストップ、ドントムーブ」(リングから選手が落ちそうになった際に、落ちそうになった状態のままリング中央に移動させること)でリング中央に戻されるのには、かなりの難しさを感じたそうだ。

 しかし、マッキーは、Bellatorでは認められないグラウンドでの蹴り技も巧みに使いこなした。

「サッカーキックやグラウンドのヒザをやるのが夢だった」

 そう語った彼にとって日本で、PRIDEから続く団体独特のルールでの闘いには憧れがあった。それには、父の存在も深く関係している。

 父親のアントニオ・マッキーも実力派のMMAファイターだった。10年前の大晦日には、同じさいたまスーパーアリーナで青木真也と対戦。組み技で名手と互角以上に渡り合うも右フックを被弾して敗れていた。

「だから今日は父のリベンジという意味もあったんだ」
 
 マッキーはそう語っている。試合前のプロモーション映像では、父の存在も触れられていた。

「エモーショナルだったね。それに父がコーナーにいてくれたことも心強かった。自分のためだけじゃない。父のためにも勝ちたかった」

 AJ・マッキーとアントニオ・マッキー。2人のドラマが大晦日のさいたまにはあった。勝ちたい理由、勝たなくてはいけない理由が“マッキー一家”にはあったわけである。

「次に日本に来るのは来年の大晦日かな。いや、必要ならいつでも呼んでほしいね」

 自信ありげな表情で語ったマッキー。Bellator勢の個性と魅力も、今回の大晦日興行における大きなポイントだった。対抗であれ、交流であれ、彼らの闘いをまた日本で見たい。

取材・文●橋本宗洋

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