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格闘技・プロレス

堀口恭司も語った日本と世界の“差”。屈辱の大晦日対抗戦の全敗からRIZINはどう立ち直っていくべきなのか?

橋本宗洋

2023.01.02

コーカー代表が引き連れたBellatorの戦士たちはいずれも猛者ばかり。接戦のなかでもしっかりと違いを生み出した。写真:永島裕基

コーカー代表が引き連れたBellatorの戦士たちはいずれも猛者ばかり。接戦のなかでもしっかりと違いを生み出した。写真:永島裕基

「みなさんに謝らなくては」

 12月31日に行なわれた大会『RIZIN.40』終了後のインタビュースペースで、RIZINの榊原信行CEOは言った。

 大晦日恒例のさいたまスーパーアリーナ大会。2022年はフジテレビでの地上波中継がなく、カード編成にも変化があった。いわゆる一般層に向けた“飛び道具”的な試合は実現せず、また朝倉兄弟(未来、海)やRENA、三浦孝太といった話題性も秘めた人気選手の出場もなかった。

 地上波中継では、視聴率獲得のために多少の無理をしてでも主力選手に出場してもらうケースがある。派手なマッチメイクは不可欠だからだ。しかしネット配信のみのPPVでは、無理をする必要はない。今大会では休むべき戦士が休み、現時点での実力と勢いを持った選手の試合が並んだ。

 全15試合中、最後の5試合はとりわけシビアなマッチメイクとなった。今大会の目玉企画であったRIZINとアメリカのメジャー団体『Bellator』の対抗戦だ。

 両団体のチャンピオン、元チャンピオン、トーナメント優勝者がずらりと並んだ5試合は、まさに真正面から意地がぶつかり合う強さの競い合いだった。

 ただ、結果は一方的なものになった。
 
×ホベルト・サトシ・ソウザvsAJ・マッキー○
×クレベル・コイケvsパトリシオ・ピットブル○
×扇久保博正vs堀口恭司○
×キム・スーチョルvsフアン・アーチュレッタ○
×武田光司vsガジ・ラバダノフ○

 RIZIN側の全敗である。戦前、榊原氏は「全勝を狙う」と語っていた。ところが、正反対の結果。だから「謝らなくては」なのだった。

 内容としては充実していた。ワンサイドだったのは堀口vs扇久保くらいで、武田とスーチョルは驚異的な粘りを見せ、クレベルは「Bellatorの象徴」とも言われるピットブルに幾度となく蹴りをヒットさせた。さらに大将戦に挑んだサトシも一本勝ち寸前までマッキーを攻め込んでいる。いずれもスリリングな試合展開ばかりで、目が離せないものだった。

 それでもやはり、対抗戦だけに結果が重い。とりわけ、これまでフィニッシュの山を築いてきたサトシとクレベルのサブミッションがものの見事にディフェンスされてしまう光景は、日本のファンには衝撃だったのではないか。

 今回は日本での試合であり、RIZINルールだ。しかも試合はリングで行なわれた。北米のユニファイドルール、そしてケージであれば、もっと差がついていたかもしれない。そして次に対抗戦をやるのであれば、敗者として敵地に乗り込む必要がある。

 たっぷりと興奮させられ、なおかつ世界の壁を思い知らされる大晦日だった。格闘技の世界では、これを避けて通ることはできない。

 コロナ禍の中で国内の選手同士が対戦する試合も盛り上がったが、やはりいつかは外国勢と真っ向から向き合わなくてはいけない。それが今年のRIZINであり、最大の敗北を喫した、この大晦日だったのだ。
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