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バレーボール

バレー新リーグ。「この指とまれ」から「フェアウェイは広く」8チームから16への転換。大河正明副会長の判断は?

北野正樹

2023.02.16

 また、大幅に拡大したチーム数も、チームの意向を反映した。

 女子では20チーム近くがV1に参入するために必要な「S1ライセンス」を保持しており、新しいトップカテゴリーのSVリーグが6~8チームでは実情にそぐわない側面もあった。年間運営費4億円の壁はあるものの、参加チーム数枠を増やすことで将来のSV昇格の門戸を広げた。
 
「大河さんは、JリーグとBリーグで大改革に取り組んで来られ、自分がやって来た改革と、Vの改革とのギャップに驚かれたのでは。問題点を指摘するチームやファンから出て来る声も想定して、進め方を変えられたと思います。これは経験値の差でしょう」と語るのは、あるVリーグチーム関係者だ。

「無理な力で取り組まない方が、成功の早道かなと考えた」と大河副会長。本来なら、もう少し時間をかけて話を積み上げたかったと思われるが、新リーグのスタート時期をずらすわけにはいかず、最大限、チームと理念を共有し、参入しやすく条件を緩和したことで中計は頓挫することなく前に進んだ。

 課題もある。

 年間運営費4億円の一部を、チーム母体から支出することが手続き的に難しいチームもある。試合数は40~50、外国人枠撤廃などを想定しているが、対戦方式やオンザコートルールなどの詳細は、これから詰める。

 また、トップカテゴリーのSVリーグの概略は明らかにされたが、地域共生を重視する「新Vリーグ」の全体像がまだ見えない。

 財政規模が小さいことからSVリーグを目指さないV2、V3リーグのチームからは「どのような参加条件なのかも分からない。トップカテゴリーのことしか考えていないのではないか」という不満も漏れる。
「撤退するチームが出ないようにSVリーグを固めることが最優先だったのは仕方がない。これから丁寧に説明をしてもらいたい」との声も。

「それぞれの会社の決定事項なので、断言は出来ませんがフェアウェイを広げたので、ほぼほぼいろんなチームが新しいリーグにチャレンジして来られると思います」

 SVリーグの船出に自信を示した大河副会長。改革は緒に就いたばかりだ。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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