専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

W杯での躍動も期待されるトヨタヴェルブリッツの顔、姫野和樹の現在地。シーズンを通じて認識した自身の影響力とは?

向風見也

2023.04.21

昨年のオールブラックス戦では惜敗に悔しさを露わにした。(C) Getty Images

昨年のオールブラックス戦では惜敗に悔しさを露わにした。(C) Getty Images

 入部1年目の2017年に主将となった。同年に日本代表となり、2019年にはワールドカップ日本大会で史上初の8強入りした。2021年にはニュージーランドのハイランダーズに加わり、国際リーグのスーパーラグビーで新人賞に輝いた。

「僕のチームへの影響は、高い(大きい)のだなと感じました」
 

 本人がこう漏らしたのは、今季の歩みを問われた時のことだ。

 豪華戦力を擁しながら第2節からは4連敗。期待に応えたのは中盤戦に入ってからだった。

 転機は2月下旬以降にあった。元ニュージーランド代表ヘッドコーチのスティーブ・ハンセン氏が、練習を仕切り始めた。ハンセンはディレクター・オブ・ラグビーとして現首脳陣を支える立場だったが、危機を脱すべく舵を切った。

 姫野は一時、戦線離脱も、ハンセンが腰を上げた頃にはゲーム主将に戻っていた。簡潔にぶつかるのを意識し、周りにもそうするよう促した。

 3月5日の第10節。旧トップリーグ時代に5度優勝の東京サントリーサンゴリアスを、27―20で破った。ここからブラックラムズ戦前までに3勝2敗と、流れを変えた。

 フォワード第3列で奮闘の姫野は、自らの周りへの「影響」が自分で思う以上に大きいのを認識した。

「若い世代の選手も育っていかなきゃ…と、僕が少しすましていた部分もあった。でも、トヨタというチームは、僕が全面にパッションを出してリーダーとしてやっていくということをしないと、奮い立たないと感じました」

 姫野が動けば周りも動く傾向がこの組織にあることは、複数の選手が認めている。

 代表選手として今秋のワールドカップフランス大会での躍動も期待される姫野は、いま、所属先の顔として最終節を見据えている。

取材・文●向風見也
【動画】土壇場で大逆転! トヨタヴェルブリッツvsリコーブラックラムズ東京戦

【関連記事】「いつも通り、できることを100パーセントで」堀江翔太、国内通算150試合出場を達成し

【関連記事】「シンプルなことを、徹底しました」稲垣啓太が取材エリアで語った首位ワイルドナイツの“根本的な強さ”
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号