専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
食と体調管理

「本当にやりたいスポーツに出会えた」スカイランニングと山岳スキーの2種目で世界へ挑む上田絢加の原動力と食習慣

酒井政人

2023.06.01

写真提供:NPO法人北信濃トレイルフリークス

写真提供:NPO法人北信濃トレイルフリークス

■スカイランニングについて

──スカイランニングがどのような競技なのか改めて教えていただけますか。

 トレイルランニングと似ているんですけど、トレイルランニングはどちらかというと横移動が重要なんです。一方、スカイランニングはいかに速く登るのか。垂直方向に駆け上る競技になります。

──上田さんは企業で働きながら競技を続けてきました。仕事とスカイランニングをどのように両立されてきたのでしょうか? 

 今年の1月まではフルタイムで業務をしていたので、平日の練習時間は1時間ほどでした。ですので、その1時間は自宅周辺を走るくらいですけど、日常生活が全部トレーニングだという心構えでいます。

 デスクで座って仕事をしているときも姿勢を正して腹筋を意識したりと、トレーニングを兼ねることもできます。無駄なことは一つもないという意識です。あと職場の方々に自分自身のことを理解していただくことも大切だと思っています。

──会場や季節によってコースの状況も異なります。どのようなトレーニングをされているのでしょうか?

 平日はインターバルトレーニングなどスピード系の練習をすることが多いです。休日は毎週のように群馬県片品村に行ってトレーニングをしていました。心肺機能を強化する意味でも山を走るんですけど、関東以北で一番標高の高い日光白根山(標高2578m)はよく使いますね。冬は雪山をスキーで登ることが多いです。

──鋭い岩がむき出しの斜面もあり、厳しい環境下でのレースになります。ケガをすることも珍しくないと思いますが、どんなことを意識していますか?

 軽く転ぶくらいはあるんですけど、これまで大きなケガはありません。自然が相手なので、無理をしすぎてはいけない競技です。自分の実力以上のことはしないように気をつけています。自分の状態、コンディションを見極めて、冷静に進んでいくことが大切です。

 レース中は景色を見る余裕がないことが多いんですけど、練習でよく行く山でも季節や天候によって表情が違うので、毎回楽しんでいます。
 


──2018年にスカイランニングアジア選手権で3位になり、翌年にはジャパンシリーズ年間総合2位。2020年にはスカイランニング日本選手権で優勝しました。ここまでの競技歴を振り返っていかがでしょうか?

 やっと本当にやりたいスポーツに出会えた。だからこそ仕事をしながらも、競技にのめり込むことができて、結果もついてきたのかなと思います。

──凄いスピードで結果を出されていますが、上田さんのストロングポイントを教えてください。

 突出した部分はあまりないんですけど、日本人のなかでは下りが上手だと思います。一番の強みは自然が大好き、競技を楽しめるという気持ちかもしれません。

──スカイランニング世界選手権〈SKY〉は20年大会(コロナにより延期21年開催)が20位、22年大会は15位でした。3位以内という目標を掲げていますが、目標達成に向けての課題はなんでしょうか? 

 下りで何人か抜かしたんですけど、登りがまだ弱い。より登りを強化しないといけないなという感覚があります。1000mほどの高さを一気に登る場合もあるので、フォームが大切になってくる。フォームも見直していきたいと思っています。
 

ホクト『きのこらぼ』では、次世代の選手へのエールや一問一答、今食べたい「きのこレシピ」など上田選手のインタビューを限定公開中!

関連記事

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号