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石川佳純が最後まで貫いた全力の“美学”とは? 75分間の引退会見で“苦悩”も明かす「追い抜くときはすごく楽しいけど…」

矢内由美子

2023.05.19

後輩たちにも「全力で戦ってほしいです」とエールを送る場面も。写真:梅月智史

後輩たちにも「全力で戦ってほしいです」とエールを送る場面も。写真:梅月智史

「直前にファンの方に伝えようかなと思ったのですが、やっぱり最後まで全力で戦う姿を見てほしいと思って」(石川)、決意を自分のなかだけにしまい込んで対峙した最後の相手は、東京五輪女子シングルス金メダリストで、石川とは1歳違いの陳夢(中国)。

「コート外では友人でもあって、最後の試合が陳夢だったことに不思議な縁を感じました」

 石川は微笑みを浮かべながら、「終わった後は涙が出てくるのかなと思っていたのですが、すごく清々しく、嬉しい気持ちの方が大きくて、『やり切れたな』と思いました。現地のファンの方にも笑顔で手を振ることができて良かったです」と言った。

 リオデジャネイロ五輪以降に繰り広げられた東京五輪女子シングルス代表争いで抱えていた“苦悩”について、「何ごとも追い抜くときはすごく楽しいんですけど、追い抜かれるときは苦しさもあって、難しい時間もあった」と本音を吐露する場面もあった。

 それでもくじけずにここまで戦ってこられたエネルギーはどこから沸いてきたのか。

「現役生活が長くなればなるほど、苦しい時間は増えてきました。けれども、自分自身に向き合うことを諦めない、そこから逃げないという、自分なりのポリシーを強く持っていました」
 
 自分で決め、心に据えたモットーを最後まで貫いたからこそ、前を向いたまま引退の日を迎えることができた。

 今後は得意の中国語を活かして、世界中の子供たちが中国選手と練習試合をやるというようなイベントのアイデアも披露した石川。20日から始まる世界選手権に出る日本代表選手たちに向けては、「全員の目標が世界一だと思います。中国の壁は高いと思うけど、毎回毎回全力で戦って挑戦していくなかで突破口が見えてくるかもしれない。全力で戦ってほしいです」とエールを送った。

取材・文●矢内由美子

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