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モータースポーツ

大災害を受けての迅速なF1中止決定には各方面から理解の声! 専門サイトは高評価とともに「2020年豪州GPの時とは対照的」と指摘

THE DIGEST編集部

2023.05.19

 英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「深刻な状況に直面した際、適切な方法で反応するか、過剰反応を避けるか、でバランスを取ることは必要。予防としてむやみにイベントを中止することは非合理であり、開催地への経済的影響も考えれば、より状況を悪化させる危険もある」と綴りながらも、今回の迅速な中止決定については「適切なものだった」と評価し、さらに「2020年オーストラリアGPとは対照的だった」と指摘した。
 
 これは、コロナ禍に見舞われた最初のシーズン、これまで通りに観客を入れて開催されることになったメルボルンでの開幕戦で、木曜日にマクラーレンのスタッフ1名のコロナ感染が明らかになったものの、開催の有無が決定されないまま翌日を迎え、フリー走行の2時間前になって中止が決定された事態を指している。同メディアは、「金曜の朝に何万人もの観客が当惑しながらもゲートに詰めかけるまでイベントはキャンセルされず、結果、感染症蔓延のリスクを増大させた」とネガティブに当時を振り返った。

 当時、コロナ禍の初期段階ということで世界的に全てが混乱しており、対応の仕方に人々がまだ慣れていなかったということはあったが、決定がこれほど遅くなった理由としては、千万ドル単位の損害を出すことになる決断を下すことに運営側が及び腰になったことが挙げられており(チームも多くが開催を望んでいたという)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が「F1は金に支配されている」と批判したことが話題となったものである。

 また、同メディアは2012年のバーレーンGPで、不安定な情勢の中、街で過激なデモが行なわれ、フォースインディアのスタッフが危険に見舞われたにもかかわらず、グランプリを開催したこと、また雨のためにスタート延期、3時間もの中断の挙句、再開後3周で赤旗終了となった2021年ベルギーGP決勝にも「対応の誤り」として言及している。

 今回のエミリア・ロマーニャGP中止により、今季中の代替開催は日程的に難しいといわれているが、たとえビジネス面でダメージを受けるとしても(もっと開催を強行した結果、さらに大きなダメージを受けた可能性もあるが……)、運営側には今後も正しい判断が求められる。

構成●THE DIGEST編集部
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