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バレーボール

「イタリアで絶対的な存在感を確立した」元伊代表主将が石川祐希を絶賛!「勝敗の行方を握る」と熱いエールも【男子バレーVNL】

佳子S.バディアーリ

2023.06.05

 1990年世界選手権で優勝と大会MVPを同時に手にした経験を持つルッケッタ氏は、「ユウキは今や、世界屈指のリーグであるセリエAでチームの勝敗の行方を握る選手に成長した」と絶賛した。

「シーズンを過ごす中で、ユウキは一選手として爆発的に完成度を高めた。相手を苦しめるサーブ力はこれ以上ない武器になっていた。特に攻撃面で判断力と認識力を向上させたと思う。それが感じられたのは、迷いのないアタック。驚くほどクオリティが上がった。見ていて爽快だったよ。司令塔のイタリア代表パオロ・ポッロとの連携も格段に向上させていた。イタリアで絶対的な存在感を確立したと感じているよ」

 石川の技術面について、「迷いのない」という言葉を聞いてふと思い出したのは、イタリア語の形容詞『Timido(ティミド)』。「控えめな、内向的な、おとなしい」など、性格や行動を表す一方、スポーツでは曖昧さやためらいが感じられたり、慎重すぎるプレーに対して使われることが多い。

 それは、これまで時折、試合中に解説陣から石川へ発せられる言葉でもあった。今シーズンを思い返してみると、記憶する限りルッケッタ氏を始めとする有識者たちが、『Timido』を口にしたことは、ただの一度もなかった。それを消し去ったのは、納得のパフォーマンスを継続した石川本人だった。

 準決勝でミラノを退けたチヴィタノーヴァを下して王座を手にしたのは、トレンティーノ。主将としてリーグ優勝へチームを導いたブルガリア代表マテイ・カジースキーが、来シーズンからミラノに加入することが発表された。38歳のベテランながら決勝・最終戦でMVPに輝いた世界トッププレーヤーが、石川と対角を組むことになる。

「今以上に高みを目指すはずのユウキにとって、来シーズンは絶好のチャンス。カジースキーとともにプレーすることで、技術に磨きをかけ、コート上でのクオリティをより一層高めることができるはずだからね」
 
 そして、開幕を控えるVNLへ向けて、ルッケッタ氏はこう話した。

「現在を含めこれまでに、イタリアでプレーするたくさんの日本人選手を見てきた。今、ユウキはその頂点に立っている。だからこそ、私から見て、日本代表を率いるうえで大切なことは、自分が培ったスピリットをすべての戦いで持ち続けることだと思う」

「フィリップ・ブラン監督の手腕の下、東京五輪、そして昨年のVNLと世界選手権で証明した通り、結果を出せるチーム作りが順調に進んでいる。今年のVNLは、成長を遂げてきた日本代表が上の段階へ歩みを進める絶好の機会になると思っている。ユウキの活躍を心から期待しているよ」

 怪物軍団と呼ばれた90年代の黄金期を謳歌したイタリア代表を率いた主将から、龍神NIPPONの主将へ贈られた最大級の熱いエール。石川がVNLでチームを上昇気流へ乗せ、9月にパリ五輪への切符を必ず掴み取ってくれるはずだ。

文●佳子S.バディアーリ

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