第3セットは、マーのエースなどで序盤に3点のビハインドを負った日本は、西田の2打と石川のエース1本を含むサーブで猛攻を開始。好調な山内のサーブを起点に身長188cmの高橋藍が、207cmのシュワーツの打球をブロックで阻止してリードを奪うも、終盤の入りで相手にエースを許した後、被ブロックとタッチネットで後退。石川のエースや途中出場の宮浦のブロックなどで粘りデュースへ持ち込んだが、最後は相手のブロックに阻まれてセットを譲った。
だが、第4セットでは石川と山内に再びエースが飛び出すなど連続ブレークで序盤から加速。好守を連発させて順調に追加点を重ね、西田の2本目のエースでマッチポイントを握る。石川と替わった富田が2度目のチャンスで渾身のディグを上げると、関田のアンダートスにフェードアウトで合わせた高橋藍の打球が相手ブロックの指先を捉えて試合終了。開幕から負けなしの5連勝で2週目をスタートさせた。
石川は試合最多の23得点(アタック19、ブロック1、エース3)を記録し、個人ランキングで総得点2位、アタック3位、エース3位タイ、加えて守備でもレシーブで首位と複数部門で上位を席巻。高橋藍が18得点(アタック15、ブロック3)、西田は15得点(アタック12、エース3)、小野寺も12得点(アタック9、ブロック3)を挙げ、4選手が二桁得点を記録したほか、山内がエース2本を含むサーブで度々流れを引き寄せ、勝利に大きく貢献した。優れた守備を示すディグ部門では、山本が3位、高橋藍は7位、石川も9位タイと、同一チームから唯一トップ10に3人がランクインしている。
国際バレーボール連盟の配信サービス『Volleyball World TV』の解説者で、現在ドイツ1部リーグのクラブを指揮する元オーストラリア代表監督のリアム・スケッチャー氏は、様々な手法で相手を翻弄する石川の攻撃やサーブに、「鬼レベルのハンドコントロール」「相手を瞬殺する判断力」「テクニックの宝庫」と感嘆。厳しい場面でも的確に状況を把握し得点を量産した背番号14を、「並外れたバレーボールIQの持ち主」と絶賛した。
無傷の日本代表は、現地6月21日の第2戦で1勝3敗と黒星先行中の世界ランク13位キューバ代表と対戦する。
文●佳子S.バディアーリ
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