同じく高校バレーの名門、京都橘高校からJTマーヴェラスへ進んだ和田は、持ち前の攻撃力がさらにスケールアップした。上背こそないが、スピードと機動力を武器にJTでも出場機会を増やし、オポジットとしてライト側からのバックアタックを含めた攻撃だけでなく、サーブレシーブも器用にこなす。初選出の日本代表、ネーションズリーグの米国戦でも相手が主力メンバーではなかったとはいえ、32得点を叩き出した和田の攻撃力が日本に勝利をもたらす原動力となったのは間違いない。
東京五輪からパリ五輪までわずか3年と限られた時間しかない。17年にコーチへ就任したフィリップ・ブラン氏が監督として率いる男子はメンバーも大きく変わることはなく、その都度チームの戦力となるであろう選手たちを加えながら長期的にチームをつくり上げてきたのに対し、女子は監督も変わった。当然ながらコンセプトも変わり、選手選考や起用も変わる。本来ならば新チームが発足した最初の年は、さまざまな戦力を試す期間になるのだが、スタート年となった昨年はオリンピックに次いで大きな比重を占める世界選手権が開催されたため、結果も求められた。
非常に難しいなかで指揮を執ることとなった眞鍋監督だがメンバーを試すなか、世界選手権でもほぼすべての試合でトスを上げた関菜々巳への期待は高いのではないだろうか。サイドからの攻撃だけでなく、ミドルを使うことを得意とする関がどんな攻撃を組み立てるか。
昨年の世界選手権ではブラジルにフルセットの末に惜敗し、悔し涙を流した関が、今回のネーションズリーグでもほぼ大半の試合でスタメンセッターとして起用されている。まだコンビが合わず、苦戦する場面も見られるが、古賀紗理那、石川真佑、井上愛里沙といった攻撃力の高い選手も多く、日本の武器であるスピードバレーの精度が上がれば上位進出も決して遠い目標ではないはずだ。
構成●THE DIGEST編集部
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