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食と体調管理

「チャンスがある限り挑戦し続けていきたい」幼少期から目指す夢への挑戦を続ける新体操・竹中七海の決意と日々を支える食生活

元川悦子

2023.10.02

写真:アフロ

写真:アフロ

■フェアリージャパンに加入、リオオリンピックでのくやしさ

――フェアリージャパンの練習生になってから生活はどう変化しましたか?

 加入した中学2年生の時は年に何回か強化合宿があって、同い年の個人競技の選手と個人種目の強化をする形でした。ある日、団体の演技をさせていただく機会があって、憧れのお姉さんたちと一緒に動いた時はメチャクチャ嬉しくて、なにより楽しかったです。

 そこから団体の練習が多くなり、中学3年生からは団体がメインになりました。強化合宿も年数回あって、長い時は1ヶ月間合宿することもあり、その時は地元の名古屋から通っていました。

 高校1年生で正メンバー入りすることができ、東京のナショナルトレーニングセンターでの練習がメインになりました。そこからは東京に拠点を移しての生活となり、海外遠征に行ったりしたので、愛知に帰るのが年に何回かになってしまいました。

――学校との両立は?

 正メンバー入りする前は普通に高校に通っていましたが、東京に拠点を移したため通えなくなってしまいました。でも先生方も対応してくださって、帰省のときだけ通学したり、レポート提出という形で何とか卒業することができました。スポーツに理解のある学校だったので、課題が多すぎて活動ができないということもなかったです。

 少し大変だったのは大学に入ってからでした。競技生活をとても理解してくださる学校でしたが、もちろんこれまでより課題もありましたし、代表チームでの一日練習があるなかでの両立には結構苦労しました。でも体育系の大学だったので、競技に生かせる部分も多かったですね。栄養学はもちろんのこと、生理学、解剖学なんかも学んで、体の動かし方もよく理解できました。コーチング学もあったので違う視点でも学ぶことができたので、非常に有意義な時間でした。

――高校3年生で迎えた2016年のリオデジャネイロオリンピックにも帯同されました。

 現地の直前合宿までメンバーと一緒に練習し、本番では観客席から応援しました。そこから実際に会場で演技を見て、オリンピックの雰囲気、どう盛り上がっているかを経験することができました。観客のみなさんが自分の国だけじゃなくて、全ての国を応援していて、楽しんでいることにも気づけたことは自分の中で大きかったですね。

 それと同時に感じたのが「なんで自分がこのフロアで踊れていないんだろう」という悔しさも感じました。「次こそは絶対に自分がフロアに立って踊りたい」と強く思いましたし、競技生活の中で貴重な経験でした。
 
――その後、竹中さんは正メンバー入りし、2019年にはアゼルバイジャンで行われた世界新体操選手権で団体総合銀メダルを獲得するなど、好結果を残しました。

 リオが終わってから本当に一生懸命がむしゃらにやっていたんですけど、なかなか正メンバーとして踊ることはできませんでした。新チーム最初の公式戦だった2017年新体操W杯イタリア大会でも正メンバーには入っていなくて、補欠として帯同していました。しかし、本番直前の練習で1人の選手が足をケガしてしまい、急遽、私が出場することになったんです。

喜べることではないですが、ずっと悔しい思いがあったので誰のポジションでも出られるように準備はしていました。冷静に1つずつ演技をこなすことができたので、いつでも準備しておくことの大切さを痛感しましたね。これ以降、正メンバーに選んでもらうことができました。

――新体操の場合、団体種目別の内容が定期的に変わりますよね。そのルールを教えていただけますか?

 4年のうちに2回種目が変更されて、リオ五輪から東京五輪までの4年間を例に取ると、2017・2018年がフープ5とボール3+ロープ2の組み合わせで、2019・2020年がボール5とフープ3+クラブ2の組み合わせでした。東京五輪は1年延期されたので、それが2021年まで続きました。東京五輪の後からはリボンも入ってきたので難易度はさらに上がりましたね。

――変化があるたびに1から合わせていかなければいけないんですね。

 はい。種目に合わせるのもそうですし、手具が2つある時は何らかのミスが起きた時に次は誰がどの手具を持っているのかといった先のことまでしっかり把握して受け渡さないといけないので、2種目の時は難しさが倍増します。

 ミスは練習から出るので、どうつなげるのか、リカバリーをどうするのかといったいろんなバリエーションの対処法を作っておいて、どういう状態でもつなげられるようにしておく必要があります。

――見た目の華やかさ以上に頭を使う競技なんですね。

 そうなんです。だからご飯をしっかり食べないと動けないんです(笑)。
 

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