――竹中さんは身長167センチ、体重49キロというスリムな体形ですが、それを維持するためにどんな努力をされていますか?
努力と言うより、やはりバランスのいい食生活を意識していることかなと思います。代表に入って栄養について勉強してからは、まずは栄養素がバランスよく摂れることで、疲労回復、ケガの予防、動ける体作りに繋がってくると知りました。それからは、栄養が偏ることが絶対にないように心がけています。
ビタミンやカルシウムについては特に不足がないようにしようと意識しています。新体操の選手は運動量が多いので、食べないと動けないので、普通にご飯などの炭水化物も食べますし、練習中にゼリーで補給することもありますよ。
――食事面で苦労したことは?
海外遠征した時ですね。なかなか野菜を摂れないし、お肉も脂っこいし、ご飯じゃなくてパンだったりするので、胃もたれはするけど、お腹はすいているみたいな感じになってしまって最初は大変でしたね。
自分なりの対策を考えて、日本食をできる限り持っていって、現地で食べていました。外せないのはレトルトご飯。あとはタンパク質やスープのおかずですね。以前、ロシアに合宿に行った時、お肉の味がなかったので、味噌や焼き肉のタレなども持っていきました。
――20代になった今、食生活で気配りしていることはありますか?
以前は『動けるようにしっかり食べる』ということに重点を置いていたんですけど、今は疲労回復を考えています。私はフルーツよりも野菜を多く摂るんですけど、野菜があまり食べられないと感じるときにはフルーツで補ったりしますし、疲労回復に良い豚肉を積極的に摂ったりしています。
――体重増に悩んだり、体質が変わってしまう選手もいると思うんですが?
そうですね。私たちのチームでは自己管理が基本なので、それぞれの体に合ったように食事内容を調整したり、コーチと相談しながら考えていく形を取っています。しっかり食べて、動いてくことで消費する選手もいれば、少し食事内容を改善して低カロリーにする選手もいるので、自分に合ったやり方で進めている感じですね。
食事のコントロールはメンタル的な影響も大きいと思います。あまりにもムリな食事制限をすると、逆に甘いものを食べたくなりがち。それは一番よくないので、やはり個人的にはご飯をしっかり食べて、それ以外の部分で減らすことを意識した方がいいかなと。あと、食べた後に即歯磨きをすれば、食べたい欲を断ちやすいのかなとは思います。
■パリオリンピックへ向けて
――パリオリンピックまであと1年ですが、竹中さんが目指すところは?
メンバーとして出場して、メダルを獲得するというのが、本当に一番の目標です。そのために来年のアジア選手権でオリンピック出場枠を勝ち取ることが重要です。私自身は今、メンバーから外れてしまっているので、チャンスがある限り、挑戦し続けていきたい。あの舞台で輝けるように頑張っていきたいです。
――オリンピックでの経験がある竹中さんはフェアリージャパンにとって重要ですね。
今、キャプテンは鈴木歩佳選手なんですが、彼女がサポートしきれない選手に声をかけたりするのが私にできること。客観的に見て、アプローチしていこうと思っています。
新体操は「引退年齢が大学4年生」と言われるほど、競技年齢が低いんです。世界大会のエントリーリストを見ると2000年代生まれの子がズラッと並んでいて、若いなあと思うことがあります(笑)。
たぶん日本でも試合に出場する選手の中では今は私が一番上なのかなと思います。20代になると柔軟性とか体力面が低下したり、ケガが出てきたり、体が重くなると言われますし。でも今はパリオリンピックに全力で向かっていますし、諦めるつもりはありません。
いろんな競技で長く続けている方を見ると本当にすごいなと思いますし、刺激になります。そういう方々の活躍を励みにしながら、自分も体の変化に合わせてトレーニングなどを試行錯誤しているところです。
――パリでのメダル獲得について現時点ではどうお考えでしょうか?
世界大会の結果を踏まえると、メダルを取れる国が拮抗している状態ですね。ミスが出れば、変動は大きいですけど、やり切った時は0・1の差が順位に大きく影響します。そのくらい最後の最後まで分からないんです。
ですから、日本も本当に完璧な演技ができれば、メダルを獲得できる可能性はあると思います。自分たちの演技の完成度を高く、しっかりとやり切ること。それが一番大事だと思います。
――竹中さんの活躍を期待しています。
はい。パリオリンピックに賭ける部分が大きい分、空回りしないように、冷静に、やるべきことをしっかりやっていきたい。日々、準備して頑張ります。

竹中七海/たけなかななみ
1998年12月2日生まれ、167cm・49㎏
トヨタ自動車 / みなみ体操クラブ所属、愛知県名古屋市出身
名古屋経済大学市邨高校ー日本女子体育大学ートヨタ自動車
5歳で新体操を始める。「五輪で金メダルを取る」という夢を描き、新体操団体日本代表のフェアリージャパンの存在を知り、オーディションに挑戦。中学2年生の時に練習生(強化選手)に選ばれ、高校1年生の時にフェアリージャパンのメンバー入りを果たす。
高校3年生で迎えたリオ五輪(2016年)ではリザーブ選手として現地に同行。東京五輪への思いを強める。そして2019年世界新体操選手権で団体総合・銀メダル、種目別・ボール5優勝の快挙を達成。東京五輪でのメダル獲得の期待が一気に高まった。
2021年春にトヨタ自動車に入社。万全の体制で同年夏の東京五輪に参戦したが、8位という悔しい結果に終わる。この経験を糧に、2024年パリ五輪でのメダル獲得を目指して、今なお前進を続けている。
努力と言うより、やはりバランスのいい食生活を意識していることかなと思います。代表に入って栄養について勉強してからは、まずは栄養素がバランスよく摂れることで、疲労回復、ケガの予防、動ける体作りに繋がってくると知りました。それからは、栄養が偏ることが絶対にないように心がけています。
ビタミンやカルシウムについては特に不足がないようにしようと意識しています。新体操の選手は運動量が多いので、食べないと動けないので、普通にご飯などの炭水化物も食べますし、練習中にゼリーで補給することもありますよ。
――食事面で苦労したことは?
海外遠征した時ですね。なかなか野菜を摂れないし、お肉も脂っこいし、ご飯じゃなくてパンだったりするので、胃もたれはするけど、お腹はすいているみたいな感じになってしまって最初は大変でしたね。
自分なりの対策を考えて、日本食をできる限り持っていって、現地で食べていました。外せないのはレトルトご飯。あとはタンパク質やスープのおかずですね。以前、ロシアに合宿に行った時、お肉の味がなかったので、味噌や焼き肉のタレなども持っていきました。
――20代になった今、食生活で気配りしていることはありますか?
以前は『動けるようにしっかり食べる』ということに重点を置いていたんですけど、今は疲労回復を考えています。私はフルーツよりも野菜を多く摂るんですけど、野菜があまり食べられないと感じるときにはフルーツで補ったりしますし、疲労回復に良い豚肉を積極的に摂ったりしています。
――体重増に悩んだり、体質が変わってしまう選手もいると思うんですが?
そうですね。私たちのチームでは自己管理が基本なので、それぞれの体に合ったように食事内容を調整したり、コーチと相談しながら考えていく形を取っています。しっかり食べて、動いてくことで消費する選手もいれば、少し食事内容を改善して低カロリーにする選手もいるので、自分に合ったやり方で進めている感じですね。
食事のコントロールはメンタル的な影響も大きいと思います。あまりにもムリな食事制限をすると、逆に甘いものを食べたくなりがち。それは一番よくないので、やはり個人的にはご飯をしっかり食べて、それ以外の部分で減らすことを意識した方がいいかなと。あと、食べた後に即歯磨きをすれば、食べたい欲を断ちやすいのかなとは思います。
■パリオリンピックへ向けて
――パリオリンピックまであと1年ですが、竹中さんが目指すところは?
メンバーとして出場して、メダルを獲得するというのが、本当に一番の目標です。そのために来年のアジア選手権でオリンピック出場枠を勝ち取ることが重要です。私自身は今、メンバーから外れてしまっているので、チャンスがある限り、挑戦し続けていきたい。あの舞台で輝けるように頑張っていきたいです。
――オリンピックでの経験がある竹中さんはフェアリージャパンにとって重要ですね。
今、キャプテンは鈴木歩佳選手なんですが、彼女がサポートしきれない選手に声をかけたりするのが私にできること。客観的に見て、アプローチしていこうと思っています。
新体操は「引退年齢が大学4年生」と言われるほど、競技年齢が低いんです。世界大会のエントリーリストを見ると2000年代生まれの子がズラッと並んでいて、若いなあと思うことがあります(笑)。
たぶん日本でも試合に出場する選手の中では今は私が一番上なのかなと思います。20代になると柔軟性とか体力面が低下したり、ケガが出てきたり、体が重くなると言われますし。でも今はパリオリンピックに全力で向かっていますし、諦めるつもりはありません。
いろんな競技で長く続けている方を見ると本当にすごいなと思いますし、刺激になります。そういう方々の活躍を励みにしながら、自分も体の変化に合わせてトレーニングなどを試行錯誤しているところです。
――パリでのメダル獲得について現時点ではどうお考えでしょうか?
世界大会の結果を踏まえると、メダルを取れる国が拮抗している状態ですね。ミスが出れば、変動は大きいですけど、やり切った時は0・1の差が順位に大きく影響します。そのくらい最後の最後まで分からないんです。
ですから、日本も本当に完璧な演技ができれば、メダルを獲得できる可能性はあると思います。自分たちの演技の完成度を高く、しっかりとやり切ること。それが一番大事だと思います。
――竹中さんの活躍を期待しています。
はい。パリオリンピックに賭ける部分が大きい分、空回りしないように、冷静に、やるべきことをしっかりやっていきたい。日々、準備して頑張ります。

竹中七海/たけなかななみ
1998年12月2日生まれ、167cm・49㎏
トヨタ自動車 / みなみ体操クラブ所属、愛知県名古屋市出身
名古屋経済大学市邨高校ー日本女子体育大学ートヨタ自動車
5歳で新体操を始める。「五輪で金メダルを取る」という夢を描き、新体操団体日本代表のフェアリージャパンの存在を知り、オーディションに挑戦。中学2年生の時に練習生(強化選手)に選ばれ、高校1年生の時にフェアリージャパンのメンバー入りを果たす。
高校3年生で迎えたリオ五輪(2016年)ではリザーブ選手として現地に同行。東京五輪への思いを強める。そして2019年世界新体操選手権で団体総合・銀メダル、種目別・ボール5優勝の快挙を達成。東京五輪でのメダル獲得の期待が一気に高まった。
2021年春にトヨタ自動車に入社。万全の体制で同年夏の東京五輪に参戦したが、8位という悔しい結果に終わる。この経験を糧に、2024年パリ五輪でのメダル獲得を目指して、今なお前進を続けている。