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ラグビー

「引退しようと考えていた」リーチ マイケル、奇跡の復活を遂げた35歳の今を物語る同僚、幼馴染の言葉【ラグビーW杯】

向風見也

2023.10.08

 ウイルス禍にさいなまれた2020年、リーチはオーバーホールに成功した。股関節をはじめ不安のあった箇所に、まとめてメスを入れていた。

 思うように身体を動かせるようになったら、厳しい個人練習に没頭した。試合用の調整が主となる国内シーズン中も、東芝ブレイブルーパス東京の同僚だったマット・トッドと身体をぶつけ合ったり、心拍数を上げたりした。トッドとリーチの「道場」には、感化された若手が相次ぎ参加するようになった。
 
 自らのコンディションを取り戻しただけでなく、周りにも刺激与えているリーチ。幼馴染のイーリには、こんなエールを送られる。

「マイケルは、日本のラグビー界には存在していないとダメ。プレーだけじゃなくて、全体的に」

 グラウンド外では、アジア諸国の高校生の日本受け入れに手を尽くす。グラウンド内では、フィフィタとイーリに驚かれて1年が経っても最高潮を保つ。

 フランスの地で、自身4度目となるワールドカップへ参加中だ。

 大会2勝目を挙げたサモア代表戦では、両軍最多となる18本のタックルを記録した。ひとつのプレーを終えてから、次の仕事へ取り掛かるまでの「移動」は天下一品と言えた。

 本人は幸せそうだ。

「本当に不調で、まさかここまで復活するとは思わなかった。手術の後になかなか自分がやりたいプレーができなくて、ラグビーを引退しようと考えていました。それでも頑張って、ここまで来られたのは奇跡だと思っています」

 10月7日。35歳になった。翌日、決勝トーナメント進出をかけたアルゼンチン代表戦に挑む。

「いままでのスコッド(歴代の日本代表)のなかで、今回のメンバーは一番、可能性はある。優勝を目指すのは、絶対に正しいと思います」

 そう。世紀の大一番を制した向こう側に、初の世界一を見据える。

取材・文●向風見也
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