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ラグビー

「ダイエットをして…」ピークと定めて臨んだ府中ダービー。序盤戦の大一番で34歳リーチが攻守に躍動できたワケ

向風見也

2023.02.08

府中ダービーでは豪快な突破も見せたリーチ。ここからさらに調子を上げていくか。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

府中ダービーでは豪快な突破も見せたリーチ。ここからさらに調子を上げていくか。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 リーチ マイケルは何度でも起き上がる。

 2019年までのワールドカップで、2大会続けて日本代表の主将となった34歳。一時は度重なる怪我に泣かされながら、2022年に立ち直った。

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 コンディションが戻るにつれ、きつい個人練習に取り組んだ結果だ。元ニュージーランド代表で同じ東芝ブレイブルーパス東京に所属する、マット・トッドに倣った。

 果たして同年の春、秋の代表戦では、持ち場のフォワード第3列で奮闘した。いまは12月17日からの国内リーグワンを戦いながら、2023年のワールドカップ・フランス大会への準備も進める。列強国の代表に当たり勝つべく、増量に踏み切る。

 順調に歩む。ところが…。

「ちょっと、この2試合、よくなかった。反省していきたいです。サントリーサンゴリアスとの試合でピークになるよう、準備していきたいです」

 こう漏らしたのは、その「サントリー戦」にあたるリーグワン1部・第7節の約2週間前だ。それまでに消化した第4、5節で、動きに精彩を欠いたと自覚した。

 一体、何を「反省」したかったのか。明らかにしたのは、第6節を経て迎える「サントリー戦」の前々日だった。

 都内の自社工場敷地内のグラウンドで汗を流したのち、メディアに応じた。ここで、大一番に「ピーク」を迎えるための行動について話した。

「ダイエットをして…」

 試合後の飲酒を控えたのかと問われ、「そういうことです」と笑った。

「食パン、コーヒーと一緒に摂るクッキーをやめたり、試合後にものすごい量を食べたり飲んだりしたのを控えて鍋にしたり。あとは毎日30分、バイクをこいで…。身体はシャープになってきました。体重は115キロから112キロに落としたので」

 公式で「身長189センチ、体重113キロ」のリーチは、クラブきってのロールモデルである。

 この日もトッドと全体練習後の居残りセッションを引っ張っていて、だんだん参加者が増えたことを喜んでいた。

 グラウンドの外では、発展途上のアジアのラグビーを盛り上げようといそしむ。日本、韓国、タイ、ブルネイ、マレーシアの高校生とオンラインサミットを開き、出身の札幌山の手高校や知人が教員をする学校へ留学生の受け入れを打診する。

「ダイエット」の件で分かったのは、15歳で来日してから持ち前の丈夫さ、まじめさで憧れられる存在となったリーチでも、ほんの少しだけ自分に褒美を与え、それを「反省」する時があるという事実だ。

 東京サントリーサンゴリアスとのゲームは、互いの本拠地が近く「府中ダービー」と呼ばれる。リーチは目を細める。

「東芝は今年、調子がいいです(ここまで4勝2敗)。サントリーには去年(リーグワンプレーオフの)準決勝で負けている。今年はワールドカップイヤーでもある。…いままで以上に楽しみにしている府中ダービーです」
 
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