そして彼は、この中米のレースの印象を「メキシコが好きで、ここでのレースには良い思い出があります。雰囲気はとてもユニークで、特にフォロ・ソル（最終コーナー内側にある野球場を改修したインフィールドセクション）では、僕らを取り囲む多くの観客で溢れるグランドスタンドの下を走行します。独自のキャラクターがあり、ショーとしては最適で、我々ドライバーはその熱意を感じることができるので、大きなモチベーションとなります」とポジティブに語っている。
  　この週末のフリー走行１回目では、レッドブル・ジュニアチームの一員で今季はF２に参戦している19歳のアイザック・ハジャルが、規定によってAT04を駆ることになり、角田としては調整の機会をひとつ失うこととなるが、アメリカGPで得た自信でもって、残りのセッションでこれをカバーし、過去２戦はリタイアに終わっているメキシコで好結果を残せるかどうかが注目される。

　元F１ワールドチャンピオン（1996年）のデイモン・ヒルは、ポッドキャスト『F1 Nation』で、角田について「彼には速さがあり、実際にペースも良いが、彼自身が自分について十分に優れているとは考えていないというようなところがある。自分の失敗について、彼は非常にオープンで正直だが、時々、私は『もしフェルナンド・アロンソだったら、たとえ失敗したとしても、それを認めないだろう』と思いたくなることがある。時には、自分を批判に晒すのではなく、自分を守る壁を築く必要がある」と指摘している。

　レジェンドから「もっと自信を持つべきだ」とエールを贈られた23歳。F１公式サイト『F1.com』からは「米国GPの最大の勝者」に選定され、「今季で最も完成度の高いパフォーマンスを発揮した」と称賛された角田が、これからのレースでどれほどの変化を遂げているかを確認しながら、そのドライビングに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部
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