５区の“爆発力”でいえば城西大と創価大に希望がある。駒大は前回、ルーキーだった山川拓馬が区間４位（１時間10分45秒）と好走している。再び、山に臨むことになれば、前回以上に走るはずだ。

　駒大の５区を上回るのは並大抵ではないが、城西大には前回、１時間10分04秒の区間新を打ち立てた「山の妖精」、山本唯翔（４年）が控えている。そして創価大には前々回大会で東海大の５区を務めて、１時間10分44秒の区間２位で走った吉田響（３年）がスタンバイ。吉田は今季、出雲と全日本の５区で区間賞を獲得しており、文字通り「５区のスペシャリスト」だ。今回は「１時間８分台」を視野に入れている。

　城西大と創価大はケニア人留学生で加速できるだけでなく、学生駅伝で区間賞を獲得した日本人選手もいる。駒大の背中が見える位置で５区にタスキをつなぐことができれば、山での“大逆転”が期待できる。
  　また青学大と國學院大は「先制攻撃」を仕掛けられて「５区」でも優位に立てる可能性のあるチームだ。

　青学大は箱根の３区と４区で快走している太田蒼生（３年）、原晋監督が「２区でも５区でも走れる」と評価する黒田朝日（２年）。それから前々回の５区を区間３位（１時間10分46秒）と好走している若林宏樹（３年）がいる。

　國學院大は前回２区を務めた平林清澄（３年）と同５区の伊地知賢造（４年）が強力だ。平林は全日本７区で区間賞を獲得。伊地知は前回11月に故障があり、万全な状態で正月を迎えることが出来なかった。前回はともに区間７位だったが、今回は区間賞争いに加わるはず。２区と５区で駒大を上回るかもしれない。

　強すぎる駒大を止めるべく、ライバル校は最後の強化期間に入っていく。

取材・文●酒井政人

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