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ラグビー

【ラグビー】関係者からは「結論ありきでは」と不信感も… 世界的名将エディー・ジョーンズが日本代表HC就任もグラウンド内外に残る疑念

向風見也

2023.12.16

 懸念点はある。2022年にイングランド代表の指揮官を退いたジョーンズは、翌年からオーストラリア代表を率いるも、若手主体の編成で同国史上初の予選プール敗退。両国ではコーチ陣の交代もあった。日本代表を率いた2015年までの間も、選手との軋轢があった。

 岩渕も頷く。

「過去2つのユニオンで退任される状況があまり芳しくなかったことは、日本協会でも議論がありました。その件は面談(12月に実施・後述)でも本人に確認しています。その点について改善できることはあったと、話していました」
 
 グラウンド外でも課題を残す。

 今回の選考では公募制を採り、候補者のリサーチと絞り込みには外部のコンサルティング会社を頼った。「公平性」を保つためだとしたが、その手順がかえって混迷を招いた。

 日本協会の土田雅人会長が一時は「第一候補」と公言した前指揮官のジェイミー・ジョセフも、公募へ加わり4年後までのビジョンを示さなくてはならなかった。

 フランス大会での成功に注力したいジョセフがそれに応じなかったのを経て、自薦、他薦を含む約80名の新指揮官候補リストができた。

 もともとオーストラリア代表で2027年まで働く予定だったジョーンズは、他薦でリスト入り。岩渕曰く「(今秋の)ワールドカップが終わった時点で話があれば(応じたい)という方もいた。エディーさんもそのひとり」。誰からの推薦なのかは非公開とした。

 絞り込まれた最終候補者は3名。12月7日に土田、岩渕、日本協会の女性理事、外国人識者ら計6名のヘッドコーチ選考委員会と「面談」した。

 もっともこの「面談」は、11月に実施予定も予定が後ろ倒しになっていた。候補者のひとりだったフラン・ルディケは、ヘッドコーチを務めるクボタスピアーズ船橋・東京ベイの国内リーグワン初戦の3日前にその勝負に挑んだ。

 土田によれば「6名中5名」がジョーンズを選び、その内容を日本協会が理事会で審議し、可決した。候補者3名の「面談」の中身を日本協会が明かすことはなく、市民は選考委員会の判断が正しかったのかを考えることすら難しい。
 
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