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ルメール騎手&木村調教師の『世界最強』コンビに孝行娘誕生! レガレイラの戴冠は父の“種牡馬の価値”をも高めた【ホープフルS】

三好達彦

2023.12.30

「スタートはあまり良くなくて後方からの競馬になりましたが、冷静に走ってくれたので最後にいい脚を使うことができました。デビュー戦から能力の高さを見せてくれているし、3戦目でこれだけの脚を使ってくれたので、来年も楽しみです」

 この言葉は、今年7つ目のGⅠタイトルを手にしたルメール騎手。この勝利で、武豊騎手に次ぎ史上2人目のGⅠ通算50勝という区切りに達した。

 レガレイラの父スワーヴリチャード(父ハーツクライ)は、現役時にジャパンカップ、大阪杯と、GⅠレース2勝を土産に2020年に社台スタリオンステーションで種牡馬入り。ファーストクロップの勝ち上がり率が高く、そのうえ産駒のコラソンビート(牝/美浦・加藤士津八厩舎)が京王杯2歳ステークス(GⅡ)を制したことで馬産地での人気が沸騰した。

 同馬の種付料は今年200万円だったが、来年は一気に1500万円に引き上げられることが、レガレイラのホープフルステークス制覇前の11月末に発表されている。これは社台スタリオンステーション繋養種牡馬のなかで、キタサンブラックの2000万円に次ぐ2番目の高さ。コントレイル、エピファネイアと並ぶもので、彼に寄せられる期待の大きさを示している。

 レガレイラを手掛けるのが木村調教師で、手綱を取るのはルメール騎手と、「世界最強馬」の評価を持って種牡馬入りしたイクイノックスと同じ強力コンビ。レース後には、オーナーである(有)サンデーレーシングの吉田俊介代表が、「皐月賞の選択肢をとる可能性が大きいと思います」と表明。競馬ファンの立場からしても、来春への夢は膨らむばかりである。
 
 積極策で早めに抜け出し、最後まで粘りに粘った2着のシンエンペラーも、能力の高さをあらためて印象付ける走りを見せた。

 矢作調教師は「結果論として先頭に立つのが早かったのだと思います。勝ち馬は強いと思いますが、遜色のないものがこの馬にもあります」と、悔しさのなかに灯る明るい光を見ている様子。凱旋門賞馬ソットサスの全弟という世界レベルの良血馬ゆえ、来春にも欧州へ遠征させるのではという噂も聞こえるなか、今後の動向に注目したい。

 驚かされたのは、3着に食い込んだサンライズジパングだ。直近3走はダートを使っており、芝での勝ち鞍はなく、9月ダートでの未勝利戦(1800m)のみだった。

 前走から同馬とコンビを組んだ菅原明良騎手は「スタミナを活かせる競馬をしたいと思っていた」とコメントし、音無調教師は「いい競馬をしたと思います。芝でもこれだけ走れると分かったのは収穫」と手応えを感じた模様。これからまだ賞金の上積みが必要になるが、クラシックに進んでくれば、馬場状態によってはマークが必要な1頭になる可能性が出てくるかもしれない。

 それにしても残念だったのは、ゴンバデカーブースの感冒による出走取消。プレビューのなかで、「来春に向けての品定め」のレースと記したが、クラシックに向けて最重要クラスの1頭が欠けて、ここで評価の土台作りができなかったのは本当に惜しい。馬の状態を把握し、ターゲットに向けて仕上げていく力が一級品のトレーナーだけに、あらためて次走を楽しみに待ちたい。

取材・文●三好達彦

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