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会心の”ユタカ・マジック”はなぜ起こせたのか? 武豊とドウデュースが築き上げた不変の絆【有馬記念】

三好達彦

2023.12.26

武豊騎手との最強コンビでドウデュースが有馬記念を制した。写真:産経新聞社

武豊騎手との最強コンビでドウデュースが有馬記念を制した。写真:産経新聞社

 6年ぶりのクリスマスイブ開催となったグランプリ、第68回有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)が12月24日に行なわれ、後方からレースを進めた単勝2番人気のドウデュース(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)が徐々に位置を上げ、7番人気のスターズオンアース(牝4歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)を半馬身交わして優勝を収めた。

 これで同馬は朝日杯フューチュリティステークス、日本ダービーに続いて3つ目のGⅠタイトルをゲットし、同時に3戦ぶりに手綱が戻った武豊騎手に本レースの最多勝利タイ記録となる4つ目の冠をプレゼントした。

 3着には、ここがラストランとなる6番人気のタイトルホルダー(牡5歳/美浦・栗田徹厩舎)が逃げ粘り、1番人気に推されたジャスティンパレス(牡4歳/栗東・杉山晴紀厩舎)は追い込んだものの、4着に敗れた。

 イクイノックス(引退、種牡馬入り)、リバティアイランド(休養)の”二枚看板”を欠いたため、混戦模様という風評通りに支持は割れに割れた。結果、ジャスティンパレス(3.6倍)からスターズオンアース(8.6倍)までの7頭が単勝オッズ10倍を切るという、GⅠレースでは希有な現象を引き起こした今年の有馬記念。実際、微細な読みの違いが勝敗を左右することになった。
 
 決然と逃げを主張したタイトルホルダーが先頭を奪うと、2番手のスターズオンアース以下はそこから10馬身程度離れ、集団となって追走する形に。出遅れ気味になったドウデュース、ジャスティンパレスは馬群の後ろ目からレースを進めた。

 900mの通過ラップが54秒2で、そこから推察するに1000mの通過は60秒0~60秒2ほどのミドルペース。ただでさえ前が止まりにくい傾向にあった中山で、この緩いペースは逃げ・先行馬の有利な流れであることは歴然だった。

 後続の馬群でそれを察した騎手は2周目の向正面から位置を押し上げ始めたが、なかでも行きたがるのをなだめながら追走していたドウデュースの積極性が目立ち、馬群の外からまくってぐんぐんと差を詰め、第4コーナーの出口では3番手までポジションを上げて勝負に出た。

 迎えた直線。タイトルホルダーが逃げ込みを図ろうとするが、そこへスターズオンアースとドウデュースが馬体を併せるようにして襲い掛かる。そして坂を上りきった辺りでドウデュースがタイトルホルダーを交わし、さらにはスターズオンアースとの追い比べから抜け出し、半馬身差を付けてゴールした。

 流れを読んで、自ら早めに動き計ったかのような差し切り勝ちには、驚異的なロングスパートを決めたドウデュースの底力はもちろん称賛に値するが、やはり今回は”ユタカ・マジック”というフレーズを思い浮かべずにはいられない。それは、「リビングレジェンド(生きた伝説)」と呼ばれるに相応しい円熟の極みを感じさせる騎乗だった。
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