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マラソン・駅伝

「戦国箱根」の命運を握る花の二区。大エース対決を制すのは誰だ?

2019.12.27

 国学大には土方英和(4年)と浦和雄平(4年)のダブルエースが存在する。

 土方は今年の関東インカレ、日本インカレ1万mで日本人トップ、出雲では6区のアンカーを走り、駒澤大のエース中村大聖を抜いて学生3大駅伝で初優勝を果たした。箱根では2区を予定しており、「絶対に勝てない相手はいない」と自信を見せる。

 浦野は昨年の箱根5区、山上りを区間新で区間賞を獲得し、総合7位でシード権確保に貢献した。今年は、土方とともにチームを引っ張り、全日本では2区を走り、8人抜きを見せた。箱根では5区を走る予定で、万全の準備をして区間新での区間賞を狙っている。「自分が追いつき、突き離して貯金を作りたい」とチームの目標である往路優勝、総合3位に意欲を見せる。この二人を含む国学大の往路区間のメンバーは、優勝候補の東海大、青学大、東洋大、駒澤大に匹敵するほど強力だ。
 
 今回、エースの中のエースと言われているのが、東洋大の相澤晃(4年)だ。

 ユニバーのハーフマラソン優勝を果たし、出雲では3区を走り、区間賞を取って3位に順位を押し上げた。全日本では異次元の走りを見せた。3区スタート時はトップと40秒差の11位だったが、「風のようにアッという間に抜かれた」と各大学の選手たちが語るように6キロで10人全員を抜き去り、区間新記録でトップに立った。箱根ではエース区間の2区を予定しており、昨年、塩尻和也(現富士通)が出した1時間6分45秒を塗り替え、1時間6分30秒を切る区間新での区間賞を目指す。チームに勢いを与える役割を果たし、優勝を勝ち取るのが相澤の目標だ。東洋大の酒井監督も「相澤を活かすレースをしたい」と大エースを軸に区間配置を決め、戦う覚悟でいる。

 相澤を始め、大エースを擁するチームは、大きなアドバンテージを持つことになる。大エースがいれば多少、遅れていてもトップ集団に追いつき、追い越すことが可能だ。レースをリセットし、なおかつ貯金までしてくれるのだ。チームにとって、それほどありがたいことはない。また、大エースの貢献度、強さを仲間たちは理解しているので、「エースのためにがんばろう」、「エースを優勝させて卒業してもらおう」等々、「あいつのために」という気持ちが広がると、チームはより強固な一枚岩になる。大エースの存在と走りがチームに勢いをつけ、勝利の機運を高めてくれるのだ。
 

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