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ラグビー

「身体が重くなる感覚は少なくなった」小柄なラグビー日本代表SHが激しい肉弾戦でのクオリティを高めるために見つけ出した答えとは?

向風見也

2024.03.20

プレーオフ参戦を狙う東京SGは現在3位。齋藤は「足りない」ポイントについて積極的なアプローチを見せている。(C) Getty Images

プレーオフ参戦を狙う東京SGは現在3位。齋藤は「足りない」ポイントについて積極的なアプローチを見せている。(C) Getty Images

 サンゴリアスは2月3日、東京・秩父宮ラグビー場で「クロスボーダーラグビー2024」に参戦。ニュージーランドのブルーズに7-43と敗れるなか、齋藤は新たな「足りない」ことを見出した。「それに対してどうするか」の計画もまた。
 
「足りない」と感じたのは、激しい肉弾戦で疲弊したなかでのパフォーマンス、ジャッジのクオリティ。それを高めるための「どうするか」は、普段の過ごし方に答えを見つけた。

 個別のメニューで息を上げたり、筋肉に乳酸をためたりしたうえで、チームのトレーニングへ加わることにしたのだ。

「練習でできていないことは、試合でもできない。ちょっとずつ、(質を)上げていきたいです」

 2015年までの4年間、日本代表の肉体強化にも携わったジョン プライヤーS&Cアドバイザーと話し合い、具体的なメニューを決めた。

 週初めにあたる月曜には、自重で負荷をかけるセッションに注力。もっともハードな練習のある水曜には、実戦形式の合間に切り返しの伴う走り込みを重ねる。

 特に本番への効果がありそうなのは、水曜の取り組みだ。

 週末の試合に出そうな23名のうち、15名が控え組の15名とゲームのシミュレーションをするとする。この間、残る8名は見学に移る。齋藤はその8名に回るや、意図のあるランニングメニューを敢行。こうしてスタミナを削ってフィールド上の15人へ混ざれば、そのまま「(肉体が)きついなかでどう判断していくか」を自らに課せるわけだ。

 このフローを習慣化してから約1か月。進歩を自覚する。

 あくまで主観だとしながら、「試合中、試合後に、(身体が)重くなる感覚は少なくなった」。ヴェルブリッツ戦のクライマックスで冷静さ、鋭さを保てたのも、日々の鍛錬の産物と取れる。「全部が全部(全てが新しい取り組みのおかげ)だとは言えないかもしれないですけど」と控えめながらも、歩んだ道を肯定する。

「週ごとの疲労度を考えながら、いまのところは継続してやっています」

 23日には秩父宮で、目下5位の横浜キヤノンイーグルスとぶつかる。「(見据えるのは)一個、一個(の試合)」と、一戦必勝を誓う。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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