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食と体調管理

「悔しさは時に一番役に立つパワーに」元アーティスティックスイミング日本代表・三井梨紗子が挑んだ2度の五輪。強さと美しさを支えた食習慣

矢内由美子

2024.04.02

■乾友紀子選手と組んだデュエットとチームで2つの銅メダルを獲得

――ロンドン大会が終わった後、2013年から井村雅代コーチの指導を受けるようになりましたね。

 まずは井村コーチが求めているものに対して、何がどれだけ足りていないのかを自己分析し、先生に言われたことを100%できるようしようと意識して、分からないことがあったら積極的に質問するように心掛けていました。

――井村コーチと言えば指導の厳しさには定評がありますが、実際はどうでしたか?

 最初は怖くて目も合わせられなかったのですが、その時からチームに加えてデュエットも泳ぐことになっていたので、そんなことは言ってられませんでした。

 井村コーチのすごいところは何を聞いても答えが返ってくることです。質問をすると、「それはこういうことだから、こういうトレーニングをしてみなさい。それができなかったらまた聞きに来なさい」と明確な指示を出してくださいます。自分でも変化に気づけるようなトレーニングを指示してくれましたし、「何でも聞いて来なさい」と言ってくれたので、それにもすごく助けられました。
 
――リオ大会までの4年間はロンドン大会とは違う立場でしたが、どんな心持ちだったのでしょうか。

 ロンドンの前はチームの補欠を経験していたので、その4年後にまさか自分がデュエットの選手に選ばれるなんて、一ミリも思っていませんでした。当時は年齢もまだ若かったので、練習では意識して最後までプールから上がらないなど、みんなに認めてもらえるようにどう立ち振る舞えばいいのかを常に考えながら練習していました。

―デュエットでは乾選手と組んでの出場で銅メダル。どんなコンビでしたか?

 乾選手が得意なことと、自分が得意なことが全く逆だったんですよ。私と乾選手は互いにうまく補い合えるようなパートナーだったので、それで自分も上手になることができたと思います。

――リオまでの日々はロンドンと違いましたか?

 ロンドンの時は焦ったまま行った感じなのですが、リオまではしっかりと準備ができていました。毎日、「これがリオの決勝でもいい」と思うような練習を積み重ねていたので、むしろ早くリオに行きたかったくらいです。

 今だから話せることなのですが、試合の前日、乾さんと夜寝る前に2人で「明日の結果がどうなろうと、自分たちはやり切ったからいいよね」「負けてもちゃんと相手にCongratulations(おめでとう)と言いに行こうね」と話せて、それがすごくホッとした瞬間だったんです。この時間があったことで、本番前の練習をやる時もスイッチがうまく入って自分たちの演技にすごく集中できました。
 

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