――食材としてきのこについてお伺いします。日々のお食事できのこを食べる機会はありますか?
きのこは好きですよ。焼き肉に行っても椎茸などは必ず注文して焼いて食べたいです。焼いて醤油をかけて食べることもよくありますね。
――引退後にご結婚して現在はお子さんもいらっしゃいます。ご家庭できのこを使う料理は作りますか?
今一番よく買っているのは、しめじやなめこですね。なめこのお味噌汁はよく作りますし、カットされているしめじを冷凍庫に常備して頻繁に使っています。豚肉と卵であえて炒めて、オイスターソースで味付けする料理は嵩(かさ)も増えてヘルシーだし、作るのも簡単。重宝しています。
――きのこを好きになったきっかけはありますか?
小学校5、6年の時から栄養指導を受けていましたから、早い時期からきちんとした料理を食べる環境にはありました。そこにきのこを使った料理も組み込まれていたので、自然と違和感なく食べていました。
――どんな時によく食べていましたか?
たくさん食べなくてはいけない時期なのに胃が弱っているときなどには、きのこに助けられていたと思います。それと、胃の調子が悪い時は、最初は温かいお味噌汁から食べ始めて、次にサラダや野菜やきのこ、肉はその後に食べるなど、順序も意識して食べていました。アーティスティックスイミングは水の中の競技なので常に体が冷えますから、お味噌汁などの汁物はいつも食べていました。
――現役時代は体脂肪率なども気を遣ったのでは?
アーティスティックスイミングでは時代によって求められる方向性が変化してきたと思います。ロンドンオリンピックぐらいまでは脂肪をつけて浮力を使うという考えだったのですが、そこからリオまではより技術が上がっていき、強さや速さが求められるようになったので、体脂肪は落としていきました。ロンドンからリオまでの4年間は、体重はほとんど変わらなかったのですが、体脂肪率は10%ぐらい違っていました。
――現在の食習慣はどのようにされていますか?
今もエキシビションなどで泳ぐ機会もあるので、体作りは意識しています。現役時代と同じように食べていると太ってしまうので、カサを増やしながらも低カロリーで、なおかつ食物繊維もしっかり入っているのできのこは重宝しています。
■パリ大会に出る後輩たちへのエール
――リオ大会が終わった翌月の9月に引退。次は東京オリンピックだったのですが、迷いはなかったのですか?
リオに行く時点で、これで私は引退するだろうという思いが7割くらいありましたし、実際にリオで演技を終えた時は、結果も出てすごく自分の中で落ち着いた気持ちになっていました。東京出身なのでオリンピックを目指したい気持ちもあったのですが、やっぱり自分に嘘をつきたくなかったですし、この選択を絶対に後悔しないこれからの人生にしようという決意を持って、引退しました。
――パートナーだった乾さんは、昨年7月の福岡での世界選手権のソロの演技を最後に引退しました。
昨年はそれまでとルールが変わってすべてがある意味リセットされた状況で、乾さんは覚悟を持って世界選手権に臨んでいたと思います。その難しい状況で最後までノーミスで泳ぎ、かつ自分の表現を極め切った彼女の演技は素晴らしく、リオのメンバーのみんなと福岡の現地で号泣しながら見てました。
――日本勢は福岡での世界選手権でデュエットがパリオリンピックの出場権を手にしたのに続き、この2月にカタールで行われた世界選手権で今度はチームがパリの出場権を獲得しました。
今回は出場権を取ったものの、まだまだ高められるところがあると思います。パリではまずはここまでやり切ったという演技をしてほしいと思います。そうすれば結果は必ずついてくるというのは、私もリオで経験することができたので、ぜひ、その世界を表彰台の上から見てほしいと思います。
――三井さんが現役の頃はつねに勉強との両立もテーマになっていたと思います。ジュニアへのアドバイスをお願いできますか。
私の場合は両立していたというよりは、できる時に勉強してできない時はやらないというように、メリハリをつけてやっていたと思います。
――厳しい練習に取り組むために何か意識していたことはありますか?
練習も勉強も継続が大事ですが、自分を甘やかしてあげる時間を作るのも必要かなと思います。すごく怒られてメンタルをやられたとしても、それは自分を高めるために言ってくれた言葉だという捉え方をして、それをできたら必ず自分にご褒美を与えてあげようとか、できなかったら次にどうしたらいいかをもう一回考える時間を作ろうとか、そういうことを意識していました。
悔しさは時に一番役に立つパワー源になります。悔しい思いを消化できる時を待つためにパワーを蓄えるという気持ちで辛さを乗り越えられたらいいなと思います。
ーーーーー
三井 梨紗子(みつい りさこ)
1993年9月23日 168センチ 東京都新宿区出身
小学校3年からアーティスティックスイミングを始め、2010年に高校2年生で日本代表入り。2012年に日本大学へ進学し、2016年に卒業。同年9月に引退した。2022年に博士号(教育学)を取得し、現在は日本大学医学部の教壇に立ちながら、コーチ・講演活動・解説のほか、日本オリンピック委員会アスリート委員として幅広く活動している。
きのこは好きですよ。焼き肉に行っても椎茸などは必ず注文して焼いて食べたいです。焼いて醤油をかけて食べることもよくありますね。
――引退後にご結婚して現在はお子さんもいらっしゃいます。ご家庭できのこを使う料理は作りますか?
今一番よく買っているのは、しめじやなめこですね。なめこのお味噌汁はよく作りますし、カットされているしめじを冷凍庫に常備して頻繁に使っています。豚肉と卵であえて炒めて、オイスターソースで味付けする料理は嵩(かさ)も増えてヘルシーだし、作るのも簡単。重宝しています。
――きのこを好きになったきっかけはありますか?
小学校5、6年の時から栄養指導を受けていましたから、早い時期からきちんとした料理を食べる環境にはありました。そこにきのこを使った料理も組み込まれていたので、自然と違和感なく食べていました。
――どんな時によく食べていましたか?
たくさん食べなくてはいけない時期なのに胃が弱っているときなどには、きのこに助けられていたと思います。それと、胃の調子が悪い時は、最初は温かいお味噌汁から食べ始めて、次にサラダや野菜やきのこ、肉はその後に食べるなど、順序も意識して食べていました。アーティスティックスイミングは水の中の競技なので常に体が冷えますから、お味噌汁などの汁物はいつも食べていました。
――現役時代は体脂肪率なども気を遣ったのでは?
アーティスティックスイミングでは時代によって求められる方向性が変化してきたと思います。ロンドンオリンピックぐらいまでは脂肪をつけて浮力を使うという考えだったのですが、そこからリオまではより技術が上がっていき、強さや速さが求められるようになったので、体脂肪は落としていきました。ロンドンからリオまでの4年間は、体重はほとんど変わらなかったのですが、体脂肪率は10%ぐらい違っていました。
――現在の食習慣はどのようにされていますか?
今もエキシビションなどで泳ぐ機会もあるので、体作りは意識しています。現役時代と同じように食べていると太ってしまうので、カサを増やしながらも低カロリーで、なおかつ食物繊維もしっかり入っているのできのこは重宝しています。
■パリ大会に出る後輩たちへのエール
――リオ大会が終わった翌月の9月に引退。次は東京オリンピックだったのですが、迷いはなかったのですか?
リオに行く時点で、これで私は引退するだろうという思いが7割くらいありましたし、実際にリオで演技を終えた時は、結果も出てすごく自分の中で落ち着いた気持ちになっていました。東京出身なのでオリンピックを目指したい気持ちもあったのですが、やっぱり自分に嘘をつきたくなかったですし、この選択を絶対に後悔しないこれからの人生にしようという決意を持って、引退しました。
――パートナーだった乾さんは、昨年7月の福岡での世界選手権のソロの演技を最後に引退しました。
昨年はそれまでとルールが変わってすべてがある意味リセットされた状況で、乾さんは覚悟を持って世界選手権に臨んでいたと思います。その難しい状況で最後までノーミスで泳ぎ、かつ自分の表現を極め切った彼女の演技は素晴らしく、リオのメンバーのみんなと福岡の現地で号泣しながら見てました。
――日本勢は福岡での世界選手権でデュエットがパリオリンピックの出場権を手にしたのに続き、この2月にカタールで行われた世界選手権で今度はチームがパリの出場権を獲得しました。
今回は出場権を取ったものの、まだまだ高められるところがあると思います。パリではまずはここまでやり切ったという演技をしてほしいと思います。そうすれば結果は必ずついてくるというのは、私もリオで経験することができたので、ぜひ、その世界を表彰台の上から見てほしいと思います。
――三井さんが現役の頃はつねに勉強との両立もテーマになっていたと思います。ジュニアへのアドバイスをお願いできますか。
私の場合は両立していたというよりは、できる時に勉強してできない時はやらないというように、メリハリをつけてやっていたと思います。
――厳しい練習に取り組むために何か意識していたことはありますか?
練習も勉強も継続が大事ですが、自分を甘やかしてあげる時間を作るのも必要かなと思います。すごく怒られてメンタルをやられたとしても、それは自分を高めるために言ってくれた言葉だという捉え方をして、それをできたら必ず自分にご褒美を与えてあげようとか、できなかったら次にどうしたらいいかをもう一回考える時間を作ろうとか、そういうことを意識していました。
悔しさは時に一番役に立つパワー源になります。悔しい思いを消化できる時を待つためにパワーを蓄えるという気持ちで辛さを乗り越えられたらいいなと思います。
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三井 梨紗子(みつい りさこ)
1993年9月23日 168センチ 東京都新宿区出身
小学校3年からアーティスティックスイミングを始め、2010年に高校2年生で日本代表入り。2012年に日本大学へ進学し、2016年に卒業。同年9月に引退した。2022年に博士号(教育学)を取得し、現在は日本大学医学部の教壇に立ちながら、コーチ・講演活動・解説のほか、日本オリンピック委員会アスリート委員として幅広く活動している。