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食と体調管理

「悔しさは時に一番役に立つパワーに」元アーティスティックスイミング日本代表・三井梨紗子が挑んだ2度の五輪。強さと美しさを支えた食習慣

矢内由美子

2024.04.02

■食事への意識

――ここからは食生活についてお聞きします。子どもの頃はどのような食生活でしたか?

 幼少期から食べることがすごく好きで、好きなものを好きなだけ食べていましたが、小学校5年生の時に「エリート教育メンバー」に選ばれて、その時に初めて栄養指導をしてもらったんです。そこで基本的な知識をいろいろと教わってからは栄養を理解して食べ物を選ぶようになっていきました。ちょうどオリンピックを視野に入れ始めた時期でもあって、どの食材にどういう栄養素が入っているのかとか、女の子だからこういうものを摂った方が良いよとか、色味や飲み物のチョイスなども含めていろいろなことを気にしながら食事をするようになりました。

―高校2年生から日本代表メンバーになられ、食事面で特に意識していたことはありますか?

 鉄分をしっかり摂ることですね。ほうれん草やひじき、レバーなどを意識的に摂るようにしていて、色味に関してもブロッコリーやトマトなど、赤い色や濃い緑など緑黄色野菜を意識的に摂ることでビタミンをしっかり補給するようにしました。

 合宿ではいつもビュッフェなので、野菜の色を見て選んでいました。飲み物はオレンジジュースが好きで牛乳をあまり飲んでいなかったのですが、朝ごはんに牛乳とオレンジジュースを両方飲むと決めて摂っていました。

 あとはアーティスティックスイミングは体を見せる競技なので、太りやすい年齢だった頃は食事を調整しなきゃいけない時もありました。
 
―大学生になってからはチームだけでなくデュエットにも出場するようになったので、食事もさらに変化したのではないでしょうか?

 大学生になってからは練習の内容もハードになりましたし、高校生の頃は太りやすかったのですが大学生になると体重が落ち着いて、むしろ痩せやすくなっていったんです。私は筋肉質な方なので食べても食べても痩せていきやすく、栄養士に相談して必要なカロリーを細かく指導してもらいました。

―だいたい何カロリーくらい摂取していたのですか?

 1日4500~5000キロカロリーです。ご飯は朝昼夕とも300グラム以上。メインは魚と肉を両方食べて、夜は夕食のほかに寝る前に夜食を食べていました。合宿ではホットプレートを用意してくれていて、痩せやすい選手は寝る前にも切り餅をホットプレートで焼いて食べるのですが、多い日は5個。深夜12時くらいにみんなでプールサイドで食べて次の日を迎えるということをしていましたね。

――練習時間は8時間から多い日には12時間にも及ぶと聞きます。

 チーム種目では役割も選手それぞれですし、痩せなきゃいけない子も痩せやすい子もいます。ですから個人個人で体重を管理する必要がありました。私と乾さんは基本的にずっと食べて、泳いでいるか寝ているかしかやっていないような生活でした。

――海外で苦労はなかったですか?

 海外ではご飯を食べられることがほとんどなくパンが多いのですが、私は比較的好き嫌いがなかったので順応してできた感じはありました。ただ、摂り方が違うと同じくらい食べているつもりなのに痩せてしまうこともありました。
 

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