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バレーボール

「ユウキはイタリアリーグの宝石」石川祐希が“圧倒的なスキル”を披露!大逆転勝利の原動力となったエースに伊識者も賛辞!【現地取材】

佳子S.バディアーリ

2024.03.27

◆第1セット◆
 ミラノは序盤に負った3点のビハインドを自らの2打で1点差とした石川が、絶好調のサーブで相手の誤打を誘い10-10。1点を争う展開のまま中盤を終え、再び石川がサーブでロセルのブロックを引き出し、初めてリードを奪う。だが、一進一退の終盤に試合先行のチャンス2回を逃すと、ルカレッリの個人技で許したセットポイントでカジースキの打球がラインを割り早くも1セットダウン。

◆第2セット◆
 カジースキとポッロのエースなどで4点のリードで序盤を終える。中盤に点差を詰め始めた相手を石川が気迫にあふれたバックアタックで再三にわたり抑え込む。ところが終盤の入りに、第3戦で黒星を強いられた要因の1つであるロマノのサーブにまたしても苦戦。4連続ブレークを許して2点ビハインドを負ってしまう。石川のエースやカジースキと替わったOHオスニエル・メルガレホ(キューバ)の躍動で、再びリードを奪い返し、先にセットポイントを握る。だが、ルカレッリの一打にそれを阻止された後、相手のリリーフサーバー、OPファブリッツィオ・ジローニ(イタリア)がエース。石川のバックアタックで粘ったミラノだったが、続くサーブと攻撃でミスを犯して2セット目を献上した。
 
 第3戦でセット終盤に勝利を手放した悪夢の再演に会場は深いため息。準決勝進出の可能性は遠のいたかのように見えた。しかし、エース石川を中心に結束したミラノが大ピンチからカムバックを果たす。

◆第3セット◆
 このセットも序盤をリードしながらレアルのサーブで4連続被ブロックに見舞われ、一気に同点とされる。終盤にもレアルのサーブに苦しみビハインドを負ってしまう。前戦から続く最終局面でセットを取りこぼす不穏な空気が漂い始めると、ミラノのベンチが動く。17-18でタイムアウトの後、今ひとつ調子の上がらないカジースキをベンチに下げてメルガレホを投入。この采配がチームにエネルギーをもたらす。ポッロのサーブで相手のミス連発を誘い一歩前に出ると、石川もサーブで攻め込み自身のバックアタックで追加点を挙げる。相手の応戦に耐えながら2点差でつかんだ1度目のセットポイントを誤打で見送った石川が、すぐさま同じバックローから強気の決定打でセットを奪取。その直後、この先を見ていろと言わんばかりに、雄たけびと大きなジェスチャーで観客をあおった。
 
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