この対戦を会場から生中継した公営放送『Rai spot』の解説を担当した元イタリア代表のアンドレア・ルッケッタ氏が、試合前に勝負どころとした後衛からの攻撃について、「司令塔のパオロ(・ポッロ)選手が上げてくれたので、それを決めるだけでした。1、2セット目はちょっとパイプが少なかったかなと思うところもありましたが、3セット目以降はそこをしっかり使ってくれて、僕のほか途中出場のメルガレホ選手へもトスが上がっていました。僕たちのチームはしっかりパイプが機能している時は非常に強いので、この後もそういうバレーをしたいです」と言及した。
気になったのは第4セット中盤の転倒。レフト攻撃の際にフロアに倒れ込んだ後、脚を気にしていたことだ。昨季のプレーオフで筋肉系の痙攣が発生していたこともあり、状態を尋ねると、「いや、つったわけではないんですけど、膝がちょっとおかしい感じがして」と回答。その後もプレーを続行して試合後もロッカールームへ引き上げることなく、長時間にわたりメディアやファンに対応する姿を見て胸をなでおろした。
また、高校時代からタッグを組む野口嵩広メディカルトレーナーが、準決勝を視野に近々、今季4回目の渡伊との朗報。それを笑顔で語る様子から、厳しい戦いをこなす上で、信頼を置く同氏の力強いサポートが大きな安心材料となることは間違いなさそうだ。
2セットを失い苦境に立たされてからも、チームメートを集めて一段と声を張り上げ、大きな身振りで鼓舞し続けた石川。なかでも、強く印象に残ったのは第5セット終盤、ポッロのツーアタックと石川のレフト弾に続き、相手ブロックが皆無の状態でメルガレホのパイプ攻撃が決まった場面だ。13-5としたこのプレーの直後、石川は人差し指を誰かへ向けて何かを叫んでいた。
そのシーンについて尋ねると、「あの時は、(ブロックを翻弄したセッターの)ポッロ選手に向けて、『今の(得点を取ったの)は、お前だよ!これはお前(の好プレーによる得点)だ!』って言ってましたね。さっきの話と重なるんですけど、ミラノはパイプが使えると本当に良いチーム。決定率の高いパイプをあの場面で選択したポッロ選手が素晴らしかった」と明かしてくれた。
4強入りを懸けて挑むアウェーでの第5戦へ向け、「次は勝っても負けても準々決勝で最後の一戦になります。なんとしても絶対に勝って去年と同じステージに立つためにしっかりコンディションを整えたいと思います」と意気込みを語った。
そして、プレーと行動でミラノの求心力となっている背番号14は、「5戦目、絶対に勝って準決勝へ進みます」と言い切った。
中2日で挑む大勝負は日本時間28日早朝(午前4時30分)に幕を開ける。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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そして、プレーと行動でミラノの求心力となっている背番号14は、「5戦目、絶対に勝って準決勝へ進みます」と言い切った。
中2日で挑む大勝負は日本時間28日早朝(午前4時30分)に幕を開ける。
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