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“世界の矢作調教師”の新鋭・フォーエバーヤングが米競馬最高峰の舞台で戦える可能性は? 強力2騎に警戒も、付け入る隙は十分あり!【ケンタッキーダービー】

三好達彦

2024.05.04

 もう1頭のテーオーパスワードも2戦2勝と負け知らずだが、ここが重賞初挑戦というのは、いかにも分が悪い。カナダで2年連続リーディングジョッキーに輝いた木村和士騎手の手腕をもって、どこまで上位に迫れるか…というのがリアルな評価だろう。

 一方で、地元である米国調教馬を見ると2頭の実績が抜けている。なかでも特に注目されるのは、フィアースネス(Fierceness、牡3歳/T.プレッチャー厩舎)である。

 デビュー戦(ダート1200m)では2着に11馬身1/4差、ブリーダーズカップ・ジュベナイル(G1、サンタアニタ・ダート1700m)は6馬身1/4差、前走のフロリダダービー(G1、ガルフストリーム・ダート1800m)ではなんと13馬身半差、タイムにして2秒3もの差をつけた歴史的圧勝を遂げている。

 ただし、勝つときは怪物級のフィアースネスだが、スタートでスムーズさを欠いた2戦、シャンパンステークス(G1、アケダクト・ダート1600m)では7着、ホーリーブルステークス(G3、ガルフストリーム・ダート1700m)では3着にあっさりと敗れている。この馬の尋常じゃない強さを見たいという期待は大きいが、全幅の信頼を置けないのが辛いところだ。

 それに引き換え、安定感が高く評価されているのが4戦3勝2着1回のシエラレオーネ(Sierra Leone、牡3歳/C.ブラウン厩舎)だ。初の重賞挑戦となった2戦目のレムゼンステークス(G2、アケダクト・ダート1800m)はハナ差で競り負けたが、今年2月のリズンスターステークス(G2、フェアグラウンズ・ダート1800m)を快勝すると、前走のブルーグラスステークス(G1、キーンランド・ダート1800m)も中団から押し上げての差し切り勝ちを収めた。

 前述したフィアーネスのような破壊力はないが、逆に大崩れがなく、終いは確実に伸びてくるのがシエラレオーネのストロングポイント。こちらを連勝馬券の軸に据える手も一考だろう。
 
 上記4頭のうち、争覇圏内にあるのはフィアースネス、シエラレオーネに加え、日本から参戦するフォーエバーヤングの3頭と見る。個人的には、逃げ込みを図るフィアースネスにフォーエバーヤングとシエラレオーネが迫るという胸熱シーンを期待しているのだが、はたしてどうか。

 その他、連下候補として挙げたいのは以下の3頭である。

 キャリア3戦目のブルーグラスステークスでシエラレオーネの2着に入ったジャストアタッチ(Just a Touch、牡3歳/B.コックス厩舎)。サンタアニタダービー(G1、サンタアニタ・ダート1800m)を4コーナー先頭から押し切ったストロングホールド(Stronghold、牡3歳/P.ダマート厩舎)。ルイジアナダービー(G2、フェアグラウンズ・ダート1900m)を快勝して臨むキャッチングフリーダム(Catching Freedom、牡3歳/B.コックス厩舎)も侮れない。ここまでを、馬券圏内として押さえておきたい。

 はたして、歴史的快挙は達成されるのか。それとも日本馬がダートの猛者たちの厚い壁に跳ね返されるのか。レースはグリーンチャンネルで無料放送されるので、ぜひ注目して頂きたい。

文●三好達彦

【動画】日本馬初の快挙なるか!? ケンタッキーダービーに出走する精鋭20頭の参考レース
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