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ラグビー

「ちょっと嬉しい気分もありますけどね」引退発表の堀江翔太、W杯4回出場の38歳がラストマッチを前に明かした胸中とは?【リーグワン決勝】

向風見也

2024.05.26

 今度の舞台は5万人超収容の東京・国立競技場。相手は旧トップリーグ時代の2009年度以来の日本一を狙う東芝ブレイブルーパス東京だ。

 ワイルドナイツは一昨季まで国内2連覇も、昨季は失意の準優勝。王座奪還を見据える堀江が口をつくのは、「恐怖」という言葉だった。
 
 この人が日本人のフォワードとして初めて国際リーグのスーパーラグビーでプレーできたのは、代表デビューから約3年3か月後の2013年2月のことだ。

 15年のワールドカップイングランド大会では日本代表の副将として、南アフリカ代表などから歴史的3勝。ここから大きな期待を背負うようになるなか、19年の日本大会では初の8強入りを達成した。

 国内外で「恐怖」を乗り越え、歴史を紡いできた。

「基本、試合が始まる前に『楽しみやわ』って思ったことは、僕はないです。食事、時間を使ってサインを覚えること、それをグラウンド(トレーニング)で出すことを、緊張のなかでやっています。(キックオフの瞬間まで)張りつめて、最後、グラウンドに立つ時は自分がいままでやってきたことをやる。その仕事をやり切った達成感が、楽しいんです。どのスポーツでもそうやと思うんですけどね。そんなに余裕こいてラグビー、できないので」

 ふと漏らすのは、「…まぁ、これが最後となると、ちょっと嬉しい気分もありますけどね。辞めたくなるようなプレッシャーが、過去、いっぱいあったので」。リタイア後にはトレーナーとなる伝説的選手が、ラストダンスへの心境を改めて口にした。

「チームが勝つために何をしなければならないか、アタック、ディフェンスで色々とある。(当日までの)1週間を通して、うまいこと(皆の)背中を押すというか、サポートができたら。あまり自分が最後やからというのは思わないようにしたいし、思いたくもないし、いま、全然、思っていない」

 得も言われぬ「恐怖」と向き合う職務を、最後までやり切る。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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