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格闘技・プロレス

「恭司、集中しろ!」“誘惑”を断ち切って掴んだ3-0判定勝利! 二度目のUFC参戦を見据える堀口恭司、リベンジマッチの舞台裏【RIZIN】

橋本宗洋

2024.06.12

 バックスピンキックなど鋭い蹴りを放ってくるペティス。それをかわしながら堀口はパンチを当てていく。フィニッシュしたい、会場を盛り上げたいという気持ちは強かった。だが、堀口は試合をこう振り返った。

「悪い癖が出て、打ち合おうとしてしまいましたね」

 セコンドから「恭司、集中しろ!」という声が飛ぶ。堀口はその言葉通り、落ち着いて試合を進めた。
 
「前回のミスがあったので、セコンドの指示を聞いて勝ちに徹しようと」

 強引な深追いはせず、試合を“軟着陸”させたと言えばいいだろうか。判定3-0、堀口のリベンジ達成だ。

 インタビュースペースでの堀口は「決めて(KO、一本で)勝ちたかった」と語っている。もっと盛り上げたかったということだ。二度目のUFC参戦を狙っているだけに、RIZIN出場はこれが最後になるかもしれない。であれば、なおさら本領発揮のフィニッシュで“有終の美”を飾りたいところだった。

 ただそこで、勝利の可能性を下げることはしないのが堀口だ。

「なにしろ、勝てたことが嬉しかったですね」
「リベンジマッチだったので、勝つ姿を見せるのが一番の目標でした。それは見せることができた」

 序盤から優勢だったからこそ、KOしたくなる。観客を沸かせ、歓声を浴びたい。しかし堀口は、そんな誘惑を断ち切った。格闘技において最大の目標は勝つことであり、リマッチならなおさらだ。

 この日、堀口が見せた強さは勝負に徹する強さ。勝利以外のものに気を取られない強さだった。

 それだけ強い堀口だから、我々の溜飲を下げる豪快な勝利も、いずれまた見ることができるだろう。

取材・文●橋本宗洋

【動画】堀口恭司、リベンジ達成の瞬間!
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