出番は、与えられた。
6月22日、東京・国立競技場。イングランド代表戦で後半20分にテストマッチデビューを果たすと、6分後にチーム初トライをお膳立てした。
敵陣22メートル線付近右で球をもらうと、細かくステップを踏み目の前のタックラーの脇をくぐったのだ。歓声を浴び、ゴールポストの近くまで駆け上がった。守っても山本は向こうの太ももに刺さり、進撃を防いだ。
試合は17―52と惨敗も、次のチャンスを掴むには十分だったのだろう。29日には、メンバーを若返らせてJAPAN XVと名を変えた代表チームで先発入りした。
東京・秩父宮ラグビー場での対マオリ・オールブラックス2連戦のファーストゲームで、キックオフから2フェーズ目の一撃を皮切りにタックルを連発した。後半13分には、ランナーを倒した2つ先の局面でジャッカルに成功した。7月6日の同カード2戦目(愛知・豊田スタジアム)でも、スターターで出られることになった。
もっとも本人は、「疲れてくると、だんだん雑になってくる。疲れてきた時でもグリップして(掴んで)、倒し切って、ブレイクダウン(接点での球出し)を遅らせるようにしたいです」。10―36での敗戦を受け、思うように猛者をテイクダウンできなかったシーンを反省していた。
とはいえ、対戦相手のパワーについて聞かれれば…。
「もちろん強いですけど、全然、戦えるという(感触はある)」
日本の愛好家の潜在的なニーズに、小兵の活躍がある。オープンサイドフランカーなどのフォワード第3列には、特にその視線が注がれる。
身長190センチ前後の海外出身者が活躍するのを楽しみながら、大柄ではない国内選手の献身を求めるファンは少なくないだろう。改めて身長177センチ、体重100キロの山本は言う。
「日本には170センチ台のいいフランカーがいっぱいいます。僕が活躍することで、そういう人が『いける』と思ってくれたら。『そういう人の、代表』というか、先駆者というか、そういうものになればいいかなと。強みである低いプレーを80分間、運動量高くやっていく。それがレギュラー獲得に繋がると感じます」
無差別級の国際ラグビー界で、自分のファイトスタイルを磨く。
取材・文●向風見也(ラグビーライター)
【動画】世界トップクラスの壁は厚かった… 日本vsイングランド戦ハイライト
【関連記事】【ラグビー】関係者からは「結論ありきでは」と不信感も… 世界的名将エディー・ジョーンズが日本代表HC就任もグラウンド内外に残る疑念
【関連記事】「一人で何でもできる」NZ代表モウンガが魅せた世界最高峰のプレーにリーチも感嘆!ワールドクラスの競演でリーグワン活性化
6月22日、東京・国立競技場。イングランド代表戦で後半20分にテストマッチデビューを果たすと、6分後にチーム初トライをお膳立てした。
敵陣22メートル線付近右で球をもらうと、細かくステップを踏み目の前のタックラーの脇をくぐったのだ。歓声を浴び、ゴールポストの近くまで駆け上がった。守っても山本は向こうの太ももに刺さり、進撃を防いだ。
試合は17―52と惨敗も、次のチャンスを掴むには十分だったのだろう。29日には、メンバーを若返らせてJAPAN XVと名を変えた代表チームで先発入りした。
東京・秩父宮ラグビー場での対マオリ・オールブラックス2連戦のファーストゲームで、キックオフから2フェーズ目の一撃を皮切りにタックルを連発した。後半13分には、ランナーを倒した2つ先の局面でジャッカルに成功した。7月6日の同カード2戦目(愛知・豊田スタジアム)でも、スターターで出られることになった。
もっとも本人は、「疲れてくると、だんだん雑になってくる。疲れてきた時でもグリップして(掴んで)、倒し切って、ブレイクダウン(接点での球出し)を遅らせるようにしたいです」。10―36での敗戦を受け、思うように猛者をテイクダウンできなかったシーンを反省していた。
とはいえ、対戦相手のパワーについて聞かれれば…。
「もちろん強いですけど、全然、戦えるという(感触はある)」
日本の愛好家の潜在的なニーズに、小兵の活躍がある。オープンサイドフランカーなどのフォワード第3列には、特にその視線が注がれる。
身長190センチ前後の海外出身者が活躍するのを楽しみながら、大柄ではない国内選手の献身を求めるファンは少なくないだろう。改めて身長177センチ、体重100キロの山本は言う。
「日本には170センチ台のいいフランカーがいっぱいいます。僕が活躍することで、そういう人が『いける』と思ってくれたら。『そういう人の、代表』というか、先駆者というか、そういうものになればいいかなと。強みである低いプレーを80分間、運動量高くやっていく。それがレギュラー獲得に繋がると感じます」
無差別級の国際ラグビー界で、自分のファイトスタイルを磨く。
取材・文●向風見也(ラグビーライター)
【動画】世界トップクラスの壁は厚かった… 日本vsイングランド戦ハイライト
【関連記事】【ラグビー】関係者からは「結論ありきでは」と不信感も… 世界的名将エディー・ジョーンズが日本代表HC就任もグラウンド内外に残る疑念
【関連記事】「一人で何でもできる」NZ代表モウンガが魅せた世界最高峰のプレーにリーチも感嘆!ワールドクラスの競演でリーグワン活性化
関連記事
- 「小さいからラグビーなんかできねーよ」南アフリカをW杯優勝に導いた小柄な男が持つ反骨心と日本へのリスペクト
- 【ラグビー】各国ワールドクラスが大量参戦したリーグワン。今季強かったのは彼らに“依存しない”チーム
- イングランド戦で代表デビューのフッカー原田衛が体現する超速ラグビー「速く考えて、速く集団的に動いたら…チャンスはあると思います」
- 「ちょっと嬉しい気分もありますけどね」引退発表の堀江翔太、W杯4回出場の38歳がラストマッチを前に明かした胸中とは?【リーグワン決勝】
- 「好きな人ができた…」リーチマイケルの“恋のキューピッド”役になった田中史朗が秘話を告白!「成長できたのは僕のおかげかな」【ラグビー】