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ラグビー

急成長のヒントは2013年のウェールズ戦。人員とコンセプトを刷新した第2次エディージャパンはいつ結果を出せるのか?【ラグビー】

向風見也

2024.07.25

9年ぶりにラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチ。(C) Getty Images

9年ぶりにラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチ。(C) Getty Images

 人員が刷新されるなか、戦いのコンセプトにもメスが入った。題目は「超速ラグビー」。今回代表デビューの山本凱が看破する。

「ひとつの仕事が終わったらすぐに次の仕事を見つけ、そのポジションまで行く」
 
 根幹に据えられるのは、組織的に速く動くことで数的優位を作ったり、万事で先手を打ったりする姿勢である。その一端が見られたのが、各テストマッチの序盤に見られた波状攻撃であり、唯一の白星を掴んだマオリ・オールブラックス戦でのスペースへの好キックだった。

 特にジョーンズが厳しく見るのは、攻めるさなかにパスをもらう選手の動きだ。複数名がそれぞれ角度をつけ、攻防の境界線へ走り込むのが理想。各自が左右に散って待つトレンドの型とは、一線を画す。

 新しいグループに新しい概念を植え付けるため、ジョーンズ自身がぶれないでいる。

「各試合の最初の20分程度を見れば、プレーヤーは我々の目指すものを十分に理解していると取れます。ただしプレッシャーがかかると、それまでに身についた悪い癖が再現される。今後は、自分たちが目指す意味合いでのいい癖付けをしていきたい。チーム内では、選手により様々な意見があります。クイックで攻めるべきか、スローで攻めるべきか…もう少し体系づけたラグビーをすべきではないか…と。しかし私は、ジャパンがプレーするには集団的なスピードで勝つのが正しい方向性だと信じています」

 接点で圧を食らい、セットプレーで後手を踏んでいる現状を「相手が1枚も2枚も上手だったのは受け入れないといけない」とし、トライラインに近づいてからのアタックをより独創的にしたいとも語る。強さを醸すための「魔法はない」と肝に銘じる。

 では、目下の積み重ねが強豪国撃破などの結果に繋がるのはいつになるか。

 これまでオーストラリア、南アフリカ、イングランドという強豪国代表の指導者としてW杯の決勝に出てきたジョーンズはそう問われ、「正直に言って、それを明確に申し上げることはできません」。ただ経験則として、過去に率いた日本代表の一戦を例にとった。

 13年6月15日、東京・秩父宮ラグビー場でのウェールズ代表戦だ。
 
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