レッドブルのヘルムート・マルコ顧問が、RBは「基本的にジュニアチームである」（＝つまり若手に経験を積ませる場）と語ったことが、リカルドの解雇とリアム・ローソンやアイザック・ハジャー、岩佐歩夢といったドライバーたちの登用をメディアやファンに予想させたものだが、バイエルCEOは「ジュニアチームの責任者という立場からの、マルコの論理的な主張」とこの発言への見解を示すとともに、リカルドの持つ経験の重要性も強調している。

「確かに若いドライバーを育てることは必要だが、まだユウキは完全に成熟してはいない。彼は今、技術的なフィードバック、開発、交流に関して、ダニエルから多くを学んでいる。さらには感情のコントロールやマネジメント、週末の構成や計画についてもだ。ユウキはダニエルから多くのことを得ている」

「つまり我々は、まだ原石であるユウキを、ダニエルの助けを借りて完成させようとしているのだ。それによって、チーム内でダニエルのポジションを確立することは確実に正当化される。それだけでなく、競技的な面でも、ダニエルはシーズン初めこそ不調だったが、最近では明らかに改善しており、しばしば角田を上回り、何度もポイントを獲得している」
  　角田自身、以前に「ダニエルは技術的なフィードバックをたくさん与えてくれるし、チームにとって重要な影響力があります。彼から受けた恩恵はとても多いと思います。僕の感情のコントロールについても、週末を通してどれだけ一貫性を保てるかという点で、ダニエルがチームメイトになってから、大きな影響を僕に与えてくれました。彼のパフォーマンスによって、僕はレースごとに成長できたと思います」と語っている。

「大局的な視点からの決定」だと明かしたバイエルCEOの狙い通り、リカルドが角田のさらなる成長の一助となるとともに、コース上でもチームにこれまで以上の貢献を果たせるかは、その去就も含めて、後半戦の大きな注目点となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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