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ラグビー

「ONE TEAM」のその先は?ジョセフHC続投が日本にもたらすメリットと“W杯4強”への期待

多羅正崇

2020.01.12

 しかし地味だがハード-ワークするFWを擁したハイランダーズは、2019年の日本代表にも通じる痛快な勝利を連発。下位に甘んじていた無印のチームをリーグ初優勝に導いた。

 2019年W杯の日本代表も世界的スターの集団ではなく、いわば持たざる者が創意工夫とハードワーク、一体感を武器にセンセーショナルな戦いを繰り広げた。その点において2015年のハイランダーズと似通っている。

 そんな手腕を知っているからだろう、W杯日本大会後、ジョセフHCは一躍NZ代表“オールブラックス”の次期指揮官の有力候補となった。

 他の主な有力候補は、W杯日本大会でスティーブ・ハンセンHCの片腕だったアシスタントコーチのイアン・フォスター。そして、SRのクルセイダーズ(NZ)で3連覇を遂げたスコット・ロバートソン。

 ただ54歳のフォスターは、W杯準決勝でイングランド相手に完敗を喫した“旧体制の一員”と見なされており、新生オールブラックスを期待する気運にはそぐわなかった。かたや45歳のロバートソンは才気に溢れているが、W杯での指揮経験がない。
 
 だからこそ、自身初のW杯で日本を8強に導いたジョセフHCに白羽の矢が立った。ところがオールブラックスの次期HC候補は日本代表を選んだ。そしてオールブラックスの新指揮官には結局、フォスターがアシスタントコーチから昇格した。

 続投の報を知り、オールブラックスファンの中には日本代表を羨望する者もいるだろう。世界のラグビー界におけるジョセフHCの存在感はすでに小さくない。2023年まで日本代表を率いるのは、2027年W杯のオールブラックスのHC候補である。

 ジョセフHCの続投を支持する理由は他にもある。

 指揮官を支える藤井雄一郎強化委員長、2019年W杯でアタックコーチを務めたトニー・ブラウン氏、スクラムコーチを務めた長谷川慎氏の存在だ。

 藤井強化委員長は外国人コーチと日本人選手の橋渡し役としてチームを支えた。ジョセフHCとはサニックスでプレーした間柄。強化委員長と日本代表HCが盟友関係にあるのだから、今後の交渉に頭を悩ませる必要はない。
 

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