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ラグビー

トップリーグ開幕戦で際立った松島、リーチ、ケレヴィの存在。今度こそ「にわか」をつなぎ止められるか?

吉田治良

2020.01.13

東芝との開幕戦に敗退したものの、随所で際立った活躍を見せた松島(左中)。サントリーには、W杯オーストラリア代表のケレヴィ(右)が新戦力に加わった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

東芝との開幕戦に敗退したものの、随所で際立った活躍を見せた松島(左中)。サントリーには、W杯オーストラリア代表のケレヴィ(右)が新戦力に加わった。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 観る者のハートに突き刺さるような刺激的なゲームは、もちろん選手個々の高いクオリティーがあってこそ実現できる。その意味で、日本代表のNO8アマナキ・レレィ・マフィに加え、新たに南アフリカ代表のHOマルコム・マークス、オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノを獲得したNTTコムは、これから連携が深まれば、さらに魅力的なラグビーを見せてくれそうだ。

 もっとも、エンターテインメント性の高さで言えば、日野対NTTコム戦後、同じ秩父宮で行なわれた東芝ブレイブルーパス(東芝)対サントリーサンゴリアス(サントリー)の“府中ダービー”のほうが上だっただろう。

 観衆は、第1試合よりも4500人近くも多い2万1564人。「にわかファン」のお目当ては、東芝のNO8リーチ・マイケル、そしてサントリーのSH流大とFB松島幸太朗というW杯戦士だったはずだが、そのなかでも個として際立っていたのが松島だ。
 
 サントリーは29分にFLの西川征克が危険なチャージで退場となり、早々と不利な状況での戦いを強いられる。それでも7-12とリードを許して迎えた47分、松島がみずからの股下を通すおよそ20メートルのノールックパスで、一度は同点に追いつくWTBテビタ・リーのトライをお膳立て。「とっさの判断。練習していたわけではないけれど上手くいった」というスペクタクルなプレーでスタンドをどよめかすと、その10分後には、今度は左に余った東芝のWTB松岡久善に強烈なタックルを見舞い、相手の決定的なトライチャンスを潰すのだ。

 その松島をタックルで止めるシーンもあったリーチだが、この日の出来は自己採点で「10点満点の4点」。ただ、東芝のトッド・ブラックアダーHCが「リーチや(新加入のニュージーランド代表FL)マット・トッドのような経験豊富な選手はメンタルタフネスも持ち合わせている。だから疲れがあっても、80分間素晴らしいプレーができる」と称えたように、たとえトップコンディションでなくても平均点以上のパフォーマンスを披露してみせるあたりはさすがだった。実際、勝利を決定付ける70分のPR三上正貴のトライは、密集でのリーチの力強いボールキープから生まれたものだ。
 

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