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マラソン・駅伝

大波乱の箱根駅伝予選会…果敢な挑戦でファンをざわつかせた中大は6位で本戦へ。なぜエース格の吉居、溜池、柴田が不在でも強いのか

酒井政人

2024.10.21

本戦への切符を獲得し、ホッとした表情を浮かべる藤原正和監督。写真:滝川敏之

本戦への切符を獲得し、ホッとした表情を浮かべる藤原正和監督。写真:滝川敏之

 予選会にエントリーされなかったエース格の3人は、吉居こそ全日本大学駅伝に絞って調整する方針だったが、溜池と柴田は故障があったため登録を見送ったという。

「溜池は仙骨を痛めて、1カ月ぐらい走れていなかった状態からようやくジョグを始めた状況です。柴田はずっとジョグはできているので、全日本には間に合わせたいなと思っています」

 藤原監督も就任1年目に悪夢を経験しているが、予選会は何が起こるかわからない。それでもエース格ふたりの出場が難しい状況になっても、吉居をエントリーしなかったことに藤原監督の“矜持”を感じる。

「第100回大会で区間賞を獲得している選手に予選会を走らせるのはちょっと違うんじゃないのか? という話を新チームが始まったときにしました。全員で駿恭を箱根に連れていく気概でやっていこうと言っていたので、起用する気持ちはありませんでした」
 
 吉居だけでなく、日本インカレ3000m障害で2位に入った浦田優斗(4年)も予選会にエントリーしなかった。さらに今季5000m(13分44秒96)と10000m(28分33秒76)で自己ベストを更新している本間颯(2年)の起用も見送っている。これは予選会の2週間後に行われる全日本大学駅伝(11月3日)を見据えての戦略だった。

「浦田はハーフ向きの選手ではないので、全日本に合わせています。本間はどちらかという駿恭と一緒に全日本に向けて作ってきた感じです。全日本は今日のダメージ次第ですけど、予選会を走っていない浦田、本間、駿恭を軸に面白いレースができるんじゃないかなと思っています。箱根に向けては、溜池と柴田にも奮起してもらって、『総合3位以内』という目標を達成できるように、往路からしっかりと攻めた布陣を組んでいきたいです」

 予選会6位通過の中大だが、まだまだ“本当の実力”は見せていない。全日本と箱根の継走に注目したい。

取材・文●酒井政人

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