専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
食と体調管理

「楽しいという気持ちを忘れないで欲しい」東京に続きパリでも金メダルに輝いたフェンシング・加納虹輝が語る競技への取り組み方と日々を支える食習慣

矢内由美子

2025.01.06

写真提供:(公社)日本フェンシング協会

写真提供:(公社)日本フェンシング協会

―フェンシングにはフルーレ(有効面は背中を含む胴体、突きのみ)、エペ(有効面は全身、突きのみ)、サーブル(有効面は頭や腕を含む上半身、突きと斬り)の3種目があります。エペを選んだのはいつ、どんな理由ですか?

 フェンシングを始めた頃はフルーレが中心で、エペはたまに練習したり試合に出たりするくらいでした。高校に入ってからも最初は同じような感じでやっていたのですが、高校1年生の時にエペの大会で優勝して、それをきっかけにエペにシフトしていきました。

―加納選手のどういった特長がエペに向いていたのでしょうか。

 スピードだと思いますね。僕は相手より先に突くことに長けていました。ただ、中学までは試合になると緊張で体がガチガチになってしまうことが多かったんです。それを克服したくて実家を離れて山口の高校に行ったのは独り立ちした方がメンタル的に強くなるのではないかと考えてのことでした。結果的にその通りになったと思います。

―オリンピックが現実的な目標になったのはいつ頃ですか?

 大学1年生からシニアの国際大会に出るようになって、2度目に出たワールドカップで3位になったんです。その時、一気にランキングが上がったことで東京五輪が見えるようになりました。
 
――加納選手はその後、右肩上がりに実力をつけていき、東京五輪はエペ男子団体で見事に金メダルを獲得しました。でも、オリンピックを迎えるまでの1年間はコロナ禍もあって苦しい時間も多かったのではないでしょうか?

 確かに、ナショナルトレーニングセンター(NTC)も使えなかったし、練習場所がないという状態ではありました。でも僕は全然焦らなかったんですよね。ダンベルを買って家でトレーニングしたり、場所があれば仲のいいメンバーとちょっと練習をしたり、割とのんびり過ごしていました。

―すごいメンタルですね。対人競技だと相手が何やってるかっていうのが見えない分、余計に不安が膨らみそうです。

 それまでの1年間はノンストップで突き進んでいたので、逆にこんなに競技時間が空くことは今後ないだろうなと思って人生の休暇だと思いながら過ごしていました。

 僕自身はコロナ禍がなかったらメダルを取っていないかもしれないと思っているし、東京五輪の時は延期になった時間が自分にはプラスになったのかもしれないという気がしています。結果も出せたことでやればできるんだなという自信もすごくつきました。
 

ホクト『きのこらぼ』では、次世代の選手へのエールや一問一答、今食べたい「きのこレシピ」など加納選手のインタビューを限定公開中!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号