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ラグビー

ワールドクラスのNZ代表TJペレナラが再び旋風を巻き起こす!? 昨季低迷のBR東京で33歳司令塔が健在を証明【リーグワン】

向風見也

2025.01.25

昨年10月には日本とのテストマッチにも出場した。(C) Getty Images

昨年10月には日本とのテストマッチにも出場した。(C) Getty Images

 この人の一手が得点に繋がることはあった。

 前半10分、敵陣ゴール前右の自軍ボールスクラムを押した後にやや停滞も、攻撃は継続できた。ペレナラが咄嗟に接点へ駆け寄り、スクラムハーフの役目をこなすなどしたためだ。
 

 5フェーズ目では持ち場で髙橋から球をもらうや、その場でタメを作り、防御の視線を引き寄せ、左に繋ぐ。

 受け手をわずかなスペースへ走り込ませると、一転、ブラックラムズは右へ、右へとラックを連取する。9フェーズ目になると、今度は、ペレナラが左へボールをさばく。目先を変えにかかる。

 最後は再びの右展開のなか、抜け出した仲間を主役が援護した。先制トライを決めた。

 7―6と1点リードの前半26分には、中盤での連続アタックで光った。

 味方の影から飛び出す形で、左中間の穴場を突破。続けて、迫る防御を引きつけ左へ放る。さらなるラインブレイクを追加点に繋げた。12―6。

 しかしブラックラムズは、18―26で敗れた。サンゴリアス戦に続く2勝目を逃した。

 イエローカードの発生を含む11度の反則で足踏みし、得点機を逃す機会も少なくなかったからだ。

 ペレナラは、前向きな姿勢ながら反省を口にした。

「いいスタートは切れた。しっかり練習してきたことを高いレベルで出せ、得点もできた。ディシプリン(規律)のところは残念でした。それで相手にプレッシャーをかけさせるチャンスを与えてしまった」

 この人の力は確か。求められるのは、確かな力を結果に転換させるサムシングだ。右プロップの大山祥平は応じる。

「ペナルティとハンドリングミスが(敗因の)100パーセント。練習で、細かく突き詰めないといけないです。そこについては、TJなどの新しく入った選手、ヘッドコーチも『意識を高めよう』と言ってくれている。ただ、僕たちが実行に移せていない。悔しいです

 王国からやってきた熟練者は、一貫性のある態度でも知られる。

 レッドハリケーンズ時代は、毎朝6時台からクラブのジムで個人トレーニングを実施。その頃の同僚で感化されたサミソニ トゥアは、ペレナラの退団や自身の移籍を経てもその習慣を続け、昨年、日本代表デビューを果たした。

 組織的な問題点を解決したいブラックラムズにあって、3年契約を結んでいるこの人はあらゆる意味でうってつけの存在なのだ。

 グラウンド内外での動きが注目されるなか、「4敗しましたが、そのなかでいいこともたくさんできていることも理解する必要がある。いいエフォートを続けたうえで、勝ちを得たいです」。いまいる場所を本質的によくすべく、日々を大切に過ごす。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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