慌ただしい新天地デビューを飾った角田は、しかし休む間もなく今週末はバーレーン、その１週間後にはサウジアラビアと、連続でレースウィークエンドを迎えることになるが、ここでどれだけの進歩を果たせるかが興味深いところだが、ドイツのモータースポーツ専門サイト『MOTORSPORT TOTAL.COM』は「ユウキがレッドブルに示すべきこと」と題した記事で、バーレーンで彼がクリアすべき“課題”を提示している。

　同メディアは、「角田のレッドブルでの任務は、フェルスタッペンを打ち負かすことでも、互角に戦うことでもない。彼の役割は『ナンバー２』としてのチームプレーヤーとなり、ポイントを確実に持ち帰り、ライバルたちの得点を阻止し、戦術的駆け引きを牽制する存在となることだ」と指摘し、以下のように続けた。
 
「それゆえに彼は、まずはRB21というマシンを完全に手なずけなければならない。この車は　、フロントとリアの動きが常に主導権を争っているような挙動を見せる。予選後、角田は『第２コーナーのスライドは突風のせいだったかもしれない』と述べたが、それはいつまでも使える言い訳ではない。彼自身、『タイヤのウォームアップが不十分だった』とも認めている」

「フェルスタッペンが角田よりも優れていた点のひとつは、フロントタイヤに適切なプレッシャーをかけてリアの不安定さを引き起こさない、その感覚の鋭さである。RB21は、アグレッシブなドライビングを歓迎する車ではない。この特性は当面変わることはないため、角田はこれに合わせる術を学ぶしかない。彼に今必要なのは車に慣れるための時間だ」

　そして、バーレーンGPでの彼に対する展望は「角田が（今季の開幕３戦で見せた）勢いを維持するのは難しい」と厳しい。「ここには高ダウンフォースが報われるような高速コーナーはほとんどない。理論上では、RB21が輝くような場所ではない。実際、フェルスタッペンですら、テスト中はやや不安定なドライビングを見せていた」というのが理由である。

　さらに同メディアは、「低速コーナーの連続は、アンダーステアとオーバーステアが急激に切り替わるこの車にとっては、悪い意味で『完璧なレシピ』となる。そしてそれこそが、RB21の経験が浅い角田にとっては、さらなる困難となる。今の彼に必要なのは『一貫性』だが、ここでは最も得られそうにないものでもある……」と、ネガティブな見解を示している。

構成●THE DIGEST編集部

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