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モータースポーツ

【F1】「問題を理解できてない」 大苦戦レッドブル&マックスに識者が大きな懸念...「角田と何ら変わらない、“普通のドライバー”になってしまう」

THE DIGEST編集部

2025.04.17

 一方、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は「傍から見ると、RB21は日本で輝いたのに対し、バーレーンでの苦戦ぶりは極端に映り、評価が難しい」としながらも、「パフォーマンスがここまで大きく変動した理由は明確だ。鈴鹿とサヒールのサーキットは、車の強みと弱点を暴く点で正反対に位置しているからだ」と綴り、これを説明した。

「RB21は、正しい作動レンジに入れば、鈴鹿のような高速コーナーでは十分に戦える。また、シケインのような低速区間でもブレーキ性能は悪くない。さらに、鈴鹿では気温が通常よりも低く、新舗装によるグリップの向上、ピレリの持ち込んだコンパウンドもあり、タイヤマネジメントは問題にならなかった。つまり、RB21の弱点は“隠されていた“」

「一方、バーレーンは真逆。極端な気温、非常に荒れた路面……タイヤマネジメントが最も重要になる条件だ。こうなると、車のバランスの不安定さが一層悪化する。前後のタイヤがオーバーヒートすれば、バランスはさらに悪くなり、負のスパイラルに陥る。コースレイアウトもまた、レッドブルには合わなかった。中速コーナーが多く、ブレーキ時に急激な方向転換が必要になるが、これがRB21のバランスの不安定さをさらに露呈させた」
 そして同メディアは、「バーレーンでの出来事は、レッドブルに『改善しなければタイトル争いはない』という現実を突きつけた」と綴るとともに、「チーム内部では『RB20(昨季のマシン)から受け継いだバランス問題のうち、わずか25%しか解決できていない』との見解が示されていた」として、こちらも「バランスの問題をどう解決すべきか、まだチーム自身が完全には把握できていない」ことを最大の懸念点に挙げている。

 また昨年来の問題としては、「風洞実験と実際の挙動との相関性に関する問題であり、2024年中盤にもレッドブルはこれに苦しんだ」と指摘。クリスチャン・ホーナー代表の「風洞が示した方向性が、実際の挙動と一致していない。だからデータと現場の情報がチグハグになる」とのコメントを紹介した。その原因は、実験施設の問題(古いために空調の問題で温度が変動し、データの再現性が低くなる)にあるという。

 そして、「現在のF1は“わずかな違い”が勝敗を分けるため、これは大きな問題だ。しかし、チームの新しい最先端風洞は2027年まで完成しない。それまで待ってはいられない。レッドブルは、RB21の問題を今すぐにでも解決しなければならない。セットアップが当たれば良いレースができるだろうし、サーキットとの相性が良ければ勝てるかもしれない。しかし、根本的なアップグレードを持ち込まない限り、タイトルを逃す可能性は高い」と締めている。

 今週末に開催されるサウジアラビアGPの舞台となる「ジェッダ・コーニッシュ・サーキット」は平均速度がモンツァに次ぐ高さということで、レッドブルとの相性は良いと見られているが、すでに首位マクラーレンにコンストラクターズ・チャンピオンシップで80ポイント差をつけられているオーストリア籍のチームは、上昇気流に乗れるか。着実に進歩を遂げている角田の動向も合わせて、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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