一方、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は「傍から見ると、RB21は日本で輝いたのに対し、バーレーンでの苦戦ぶりは極端に映り、評価が難しい」としながらも、「パフォーマンスがここまで大きく変動した理由は明確だ。鈴鹿とサヒールのサーキットは、車の強みと弱点を暴く点で正反対に位置しているからだ」と綴り、これを説明した。
「RB21は、正しい作動レンジに入れば、鈴鹿のような高速コーナーでは十分に戦える。また、シケインのような低速区間でもブレーキ性能は悪くない。さらに、鈴鹿では気温が通常よりも低く、新舗装によるグリップの向上、ピレリの持ち込んだコンパウンドもあり、タイヤマネジメントは問題にならなかった。つまり、RB21の弱点は“隠されていた“」
「一方、バーレーンは真逆。極端な気温、非常に荒れた路面……タイヤマネジメントが最も重要になる条件だ。こうなると、車のバランスの不安定さが一層悪化する。前後のタイヤがオーバーヒートすれば、バランスはさらに悪くなり、負のスパイラルに陥る。コースレイアウトもまた、レッドブルには合わなかった。中速コーナーが多く、ブレーキ時に急激な方向転換が必要になるが、これがRB21のバランスの不安定さをさらに露呈させた」 そして同メディアは、「バーレーンでの出来事は、レッドブルに『改善しなければタイトル争いはない』という現実を突きつけた」と綴るとともに、「チーム内部では『RB20(昨季のマシン)から受け継いだバランス問題のうち、わずか25%しか解決できていない』との見解が示されていた」として、こちらも「バランスの問題をどう解決すべきか、まだチーム自身が完全には把握できていない」ことを最大の懸念点に挙げている。
また昨年来の問題としては、「風洞実験と実際の挙動との相関性に関する問題であり、2024年中盤にもレッドブルはこれに苦しんだ」と指摘。クリスチャン・ホーナー代表の「風洞が示した方向性が、実際の挙動と一致していない。だからデータと現場の情報がチグハグになる」とのコメントを紹介した。その原因は、実験施設の問題(古いために空調の問題で温度が変動し、データの再現性が低くなる)にあるという。
そして、「現在のF1は“わずかな違い”が勝敗を分けるため、これは大きな問題だ。しかし、チームの新しい最先端風洞は2027年まで完成しない。それまで待ってはいられない。レッドブルは、RB21の問題を今すぐにでも解決しなければならない。セットアップが当たれば良いレースができるだろうし、サーキットとの相性が良ければ勝てるかもしれない。しかし、根本的なアップグレードを持ち込まない限り、タイトルを逃す可能性は高い」と締めている。
今週末に開催されるサウジアラビアGPの舞台となる「ジェッダ・コーニッシュ・サーキット」は平均速度がモンツァに次ぐ高さということで、レッドブルとの相性は良いと見られているが、すでに首位マクラーレンにコンストラクターズ・チャンピオンシップで80ポイント差をつけられているオーストリア籍のチームは、上昇気流に乗れるか。着実に進歩を遂げている角田の動向も合わせて、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】角田裕毅が昇格後初のQ3進出で入賞圏内10番グリッドからのスタートを決める!
「RB21は、正しい作動レンジに入れば、鈴鹿のような高速コーナーでは十分に戦える。また、シケインのような低速区間でもブレーキ性能は悪くない。さらに、鈴鹿では気温が通常よりも低く、新舗装によるグリップの向上、ピレリの持ち込んだコンパウンドもあり、タイヤマネジメントは問題にならなかった。つまり、RB21の弱点は“隠されていた“」
「一方、バーレーンは真逆。極端な気温、非常に荒れた路面……タイヤマネジメントが最も重要になる条件だ。こうなると、車のバランスの不安定さが一層悪化する。前後のタイヤがオーバーヒートすれば、バランスはさらに悪くなり、負のスパイラルに陥る。コースレイアウトもまた、レッドブルには合わなかった。中速コーナーが多く、ブレーキ時に急激な方向転換が必要になるが、これがRB21のバランスの不安定さをさらに露呈させた」 そして同メディアは、「バーレーンでの出来事は、レッドブルに『改善しなければタイトル争いはない』という現実を突きつけた」と綴るとともに、「チーム内部では『RB20(昨季のマシン)から受け継いだバランス問題のうち、わずか25%しか解決できていない』との見解が示されていた」として、こちらも「バランスの問題をどう解決すべきか、まだチーム自身が完全には把握できていない」ことを最大の懸念点に挙げている。
また昨年来の問題としては、「風洞実験と実際の挙動との相関性に関する問題であり、2024年中盤にもレッドブルはこれに苦しんだ」と指摘。クリスチャン・ホーナー代表の「風洞が示した方向性が、実際の挙動と一致していない。だからデータと現場の情報がチグハグになる」とのコメントを紹介した。その原因は、実験施設の問題(古いために空調の問題で温度が変動し、データの再現性が低くなる)にあるという。
そして、「現在のF1は“わずかな違い”が勝敗を分けるため、これは大きな問題だ。しかし、チームの新しい最先端風洞は2027年まで完成しない。それまで待ってはいられない。レッドブルは、RB21の問題を今すぐにでも解決しなければならない。セットアップが当たれば良いレースができるだろうし、サーキットとの相性が良ければ勝てるかもしれない。しかし、根本的なアップグレードを持ち込まない限り、タイトルを逃す可能性は高い」と締めている。
今週末に開催されるサウジアラビアGPの舞台となる「ジェッダ・コーニッシュ・サーキット」は平均速度がモンツァに次ぐ高さということで、レッドブルとの相性は良いと見られているが、すでに首位マクラーレンにコンストラクターズ・チャンピオンシップで80ポイント差をつけられているオーストリア籍のチームは、上昇気流に乗れるか。着実に進歩を遂げている角田の動向も合わせて、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】角田裕毅が昇格後初のQ3進出で入賞圏内10番グリッドからのスタートを決める!
関連記事
- 【F1】フェルスタッペンが“完全ノーマーク”の名門に移籍する⁉ラルフ・シューマッハ氏が候補に挙げる「忘れがちだが間違いなく重要なチームがある」
- 【F1】レッドブル低迷脱却のカギはやはり角田裕毅か。昇格2戦目での入賞に専門メディアが高評価「2番手の役割をすでに担い始めている」
- 「最後まで諦めずにやり抜いた」 バーレーンGPでの角田裕毅に対して各国専門メディアは概ね高評価! サインツとの接触については「アグレッシブすぎたかも」
- 【画像】世界を舞台に活躍する日本人F1ドライバー、角田裕毅の車から離れたオフの表情を厳選して紹介!
- 【画像】F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025に歴代F1マシンがズラリ!