さらにアジャの希望で、ボーナストラックとして５分間だけタッグを結成。橋本、岩田、彩羽匠（マーベラス）、YUNA、暁と２vs５で対戦。引退セレモニーでは師匠・長与千種との２ショット、ライオネス飛鳥を交えたクラッシュ・ギャルズとの３ショットも実現している。
  　清々しい表情でリングを降りた里村は、インタビュースペースでも「まだまだできるんです」。引退の理由は、指導とプロデュースという新たな道にいち早く進むため。選手としての限界ではなかった。

　これからは試合のない日々が始まる。しかしそれは“解放”ではないと考えているそうだ。

「これまで緊張感とかプレッシャーを背負ってやってきました。明日からはそのプレッシャーを違うほうに注ぎ込みます。裏方に回る気はあんまりなくて、ちゃんとリーダーとして牽引していきます」

　クラッシュ・ギャルズへの歓声に触れて「女子プロレスブームを作りたい。スーパースターを育てます」という言葉も。とりわけ印象に残ったのは、自分はどんなレスラーだったかと聞かれた時の言葉だ。

「何があっても逃げなかったです、私は。逃げなくてよかった。次のステージでも逃げないです」

　プロレスラー・里村明衣子のキャリアは終わった。しかし闘いはまだ続く。“強く生きる”人生も続いていく。

取材・文●橋本宗洋
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