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競馬

半年ぶりの休み明けも杞憂に終わったジャンタルマンタルの強さ。現役最強マイラーを証明した陣営の”三位一体”【安田記念】

三好達彦

2025.06.10

 ジャンタルマンタルは、昨年末の香港マイル(GⅠ、シャティン・芝1600m)で13着に大敗して以来、約6か月ぶりの実戦。調教で自己最速のタイムを叩き出すなど好調ぶりをアピールしていたものの、NHKマイルカップのあと、育ち盛りの時期に1戦しかできず、順調さを欠いた本馬の評価には非常に困難なものがあった。しかし結果として、そうした危惧はまったくの杞憂に終わり、半年ぶりのレースにおいて現役最強マイラーであることを自ら証明して見せた。

 長い休養期間を経て立て直した厩舎、牧場スタッフ、ならびに道中で掛かり気味になったジャンタルマンタルと巧みな技で折り合い、勝利に結び付けた川田将雅騎手を大いにリスペクトしたい。

 2着となったガイアフォースの激走には驚かされた。彼の安田記念参戦は3年連続で、一昨年は勝ったソングラインから0秒2差の4着、昨年は優勝馬ロマンチックウォリアーから0秒3差の4着に健闘した実績を持っていた。東京のマイル戦がよほど肌に合うのだろうし、本レースから使用したブリンカーの効果も感じさせる集中力も感じさせた。また、手綱を託された19歳の吉村誠之助騎手の馬群の内から抜け出した果敢な騎乗も讃えたい。
 
 最後までじわじわと伸びて3着となったソウルラッシュは、先行有利な流れに泣かされたうちの1頭。手綱をとった浜中俊騎手が「調教から乗せてもらって、返し馬などからも状態は良く感じました」とコメントしているように、当日のパドックや返し馬でも非常に状態がよく見えた。それだけに、スタートで位置が取れないことや、長くいい脚が使える反面、切れる脚は持ってないというウィークポイントが出たと言えるだろう。

 ブレイディヴェーグが2着と0秒1差の4着に健闘した一方、ジュンブロッサム(11着)、シックスペンス(12着)の大敗は不可解なもの。騎手のコメントによると、シックスペンスのクリストフ・ルメール騎手は「緩い馬場で自分のリズムで走れず、最後に伸びを欠いてしまいました」と肩を落とした。

 そして、ジュンブロッサムの武豊騎手は「ペースが遅かったのもあるけど、あまり弾けなかった」と首をかしげた。ちなみにシックスペンスは良馬場以外の経験がなく、ジュンブロッサムは道悪(稍重から不良)の3戦ですべて4着以下となっていた。そういう点では、微量ではあったが早朝に降雨があり、時計のかかる馬場が合わなかったのかもしれない。

文●三好達彦

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