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日本代表合宿が再開。五輪初の卓球ミックスダブルス、水谷隼&伊藤美誠「じゅんみま」メダルの可能性

辛仁夏

2020.06.23

伊藤はシングルスのメダルも視野に入れており、ミックスダブルスの時間は限られてくる。経験豊富な水谷が伊藤を躍動させることができれば、メダルは近づくに違いない。(C)Getty Images

伊藤はシングルスのメダルも視野に入れており、ミックスダブルスの時間は限られてくる。経験豊富な水谷が伊藤を躍動させることができれば、メダルは近づくに違いない。(C)Getty Images

 日本卓球の頂点に君臨した伊藤と水谷という男女エースがタッグを組み、東京五輪の新種目となるミックスダブルスで金メダル獲得に挑むことは、それほど夢物語ではないだろう。

 昨年の2019年にペアを結成した2人は、同じ静岡県磐田市出身で、水谷の父が代表を務める豊田町卓球スポーツ少年団の先輩後輩という間柄でもあり、旧知の仲でもある。性格的には伊藤が「動の人」なら、水谷は「静の人」で、磁石で言えばプラスとマイナスか。右ききの伊藤に対し、左ききの水谷と、お互いの長所と短所をピッタリ埋めることができ、スキのないコンビネーションプレーが生まれるようだ。

 昨年のワールドツアー大会ミックスダブルスでは、ペア結成後の初戦となった7月の韓国オープンで3位となり、3戦目のブルガリアオープン(8月)で初優勝を飾ると、その後4大会で準優勝が続き、今年3月のカタールオープンを制覇して2勝目を挙げるなど、強敵中国ペア勢と好勝負を繰り広げている。
 
「じゅんみま」のコンビプレーは、まだ改善の余地はあるが、穴は見られない。2人とも勝負強さがあり、意外性のあるプレーを繰り出す伊藤の強さを引き出せる水谷には懐の深さと対応力が備わっている。ペアとしての経験がまだ浅い課題を今後どう克服していくのか。コンビプレーの質をより高める必要があるが、シングルスでも金メダルを目指す伊藤と共有できる時間は限られてくるだけに、水谷が伊藤にどう合わせることができるかが勝負のカギを握りそうだ。

 一歩引いたポジションを取る「兄」役の水谷が、思い通りに躍動する「妹分」の伊藤を輝かせることができれば、金メダル獲得の可能性も高まるはずだ。

文●辛仁夏 YINHA SYNN
1990年代に新聞記者となり、2000年代からフリーランス記者として取材活動を始め、現在に至る。フィギュアスケート、テニス、体操などのオリンピック種目からニュースポーツまで幅広く取材する。

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