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マラソン・駅伝

1万メートルの平均タイムで箱根駅伝を読む。勢いがあるのは駒大、早大、明大!優勝候補の青学大、東海大は…

生島淳

2020.12.15

●不気味な青山学院大と東海大

 駒大、早大、明大が華々しい活躍を見せているのに比べ、本命視されている青学大と東海大のタイムは大人しい。いや、物足りないと言えるかもしれない。

 11月23日の10000m記録挑戦会に参加した青学大だったが、28分30秒台を切ってきた選手はいなかった。ただし、この挑戦会では、他の競技会とは違っていわゆる「厚底シューズ」が認められていなかったこと、それに加えて青学大は直前まで千葉・富津での強化合宿を行なっており、このレースに向けて特別、調整をかけていなかったことがあげられる。

 一方、上位10人の平均タイムが29分台に甘んじている東海大はどうか。

 このタイムはまったく参考にならない。なぜなら、主力級の選手たちは10000mの競技会にほとんど出場していないからだ。むしろ、箱根駅伝に向けて淡々と調整を進めている印象で、ロードの強さをじっくりと蓄えている印象だ。
 
 トラックで好調ぶりをアピールする駒大と早大と明大。スピードを生かして、箱根ディスタンスへの対応を目論む。

 一方、トラックでのスピードを犠牲にしてでも、いち早くロード仕様に仕上げていくことを選択した青学大と東海大。むしろ、この2校には不気味さを感じる。

 今年は11月のハーフマラソンの大会が軒並み中止となり、各校の強化計画に大きな支障が出た。10000mの平均タイムひとつとって見ても、どれほどこの記録を重視するのか、監督たちの思惑が大きく違っていることが分かる。

 12月10日を過ぎて、鍛錬期はまもなく終了。あとは調整に入っていくが、なによりも今年は健康管理が最大の課題となるだろう。

 各大学が無事に箱根駅伝を走れますように祈るばかりである。

文●生島淳

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