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バレーボール

東京五輪はすでに過去。これからの「柳田将洋」は何を目指すのか

北野正樹

2021.09.04

 昨季のVリーグでは、チームの山本和史ゼネラルマネジャーを通じて、コロナ禍で来日できない外国人選手がいることを踏まえ、外国人選手が揃うまで日本人選手だけでリーグ戦を戦うことを提案した。

 Vリーグ機構と参加チームの会議では、すでに来日しているチームなどの賛同が得られず、提案は生かされることはなかったが、「来日が遅れたのは(コロナ禍で、相手国の事情によるもので)、チームの努力不足という問題ではなく、それは一律にしてほしかった」。所属するサントリーも外国人選手の来日が遅れたが、チームの有利、不利だけでなく、公平にリーグ戦を戦おうという思いからだっただけに、今も残念がる。

 根底にあるのは、ファン・ファースト。「コロナ禍で、競技を支えてくれるのはファンの声援やサポート。どの競技でも変わらないが、だからこそ、どの競技よりファンを大切にする精神は持っていいと思う」と熱く語る。将来的には組織の中で発言をして改革していくことを目指すということだろう。現役選手にも発言や提案をする機会がもっとあれば、Vリーグはさらに盛り上がるはずだ。
 
 それでも、現実は厳しい。サントリーは、Vリーグで昨季、14シーズンぶり8度目の優勝を飾ったが、メディアの扱いは決して大きくはなかった。

「コロナ禍で制限のある中で優勝しているのに、思ったより注目をされず、こんな程度なのかなと思った。これからはこだわりを持って、いろんなメディアや媒体に取り上げてもらえるようにしたい」
「選手自身が、もっと興味というか責任を持って考え出すべき。発信する方法はいっぱいあるが、これからは(一方通行の発信ではなく)、誰かから吸い上げてみんなに発信していく役割も必要なのかなと思う」

 柳田将洋の目は、自身のさらなる成長と、バレー界の未来に向けられている。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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