専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
食と体調管理

「できることならずっと野球を続けたい」故郷での新たな挑戦に挑む内川聖一がプロ野球界に残したものと競技人生を支える食習慣

SLUGGER編集部

2023.03.01

――そのWBCの翌年にソフトバンクにFA移籍。横浜からの移籍で、チームの環境とか、ご自身の立ち位置ってどのように変化されましたか?

 横浜にいれば当たり前のようにレギュラーとして扱ってもらってましたが、WBCという世界一を争うヒリヒリした戦いを経験した後は、強いチームがどんな野球をするのかが見たくなったんですよね。

 それに、もちろん福岡って言う土地柄もありました。子供の頃から年に1回は福岡で野球を生で見るのが当たり前だったので、その球場の中で自分ができることには憧れもありました。

――ホークスには「常勝軍団ならではのもの」というのはありましたか?

 ずっと毎年頑張らないと自分の立ち位置がなくなると思ってやっていました。つねに自分のポジションが誰に奪われても不思議じゃない環境でしたし、若手がどんどん出てきて新戦力の補強もあったので、いつも危機感を覚えていましたね。

 移籍初年度も開幕当初は3番を打っていましたが、5月か6月に肉離れで1ヵ月戦列を離れていた時にチームは当たり前に勝つんですよ。僕がいなくてもチームは勝つから、これはやばいな、レギュラーは当たり前じゃないぞと思っていました。

――そんな常勝軍団の中で生き残りながら活躍して、何度も日本一を経験されたわけですが、印象に残っている試合はありますか?

 古巣の横浜と戦った17年の日本シリーズですね。最後に同点ホームランを打ったのはすごく印象に残っています。

 満員のスタジアムを見たときに、勝利を待ってくれていたファンの人に自分は勝つ喜びを与えられなかったんだなという申し訳ない気持ちもありながら、自分が横浜にいた時にはできなかったことを成し遂げてくれた今の選手たちへの感謝など、本当にいろいろな思いが湧きあがってきました。

――20年に移籍したヤクルトでは、その年にチームが日本一になりました。前年最下位からの躍進ということもあり、内川さんの経験をヤクルトの選手たちに伝えられたことは大きかったのではないでしょうか?

 力になれたとは正直まったく思っていないですが、優勝に向かってチームが勝つことで喜びの輪がどんどん広がっていくのはとても嬉しかったですね。僕は二軍でやる機会が多かったですが、最後に二軍でそういう立場を経験させてもらったのは野球人生にとってすごく勉強になりましたね。
 
■食生活、習慣について

――幼少期や学生時代の食生活で意識していたことを教えてください。

 当時僕は体が細かったので、まずはどうやって体重を増やすのかを考えて食事をしていました。学校にお弁当を2つ持って行って、朝練で1個食べて、2限目おわりにもう1個食べて、お昼は学食で食べて、練習終わりに購買で買って食べて……みたいな感じでしたね。

――プロに入ってからはどうでしたか?

 プロに入った時も身長が182cmで、体重は68kgしかなかったのであまりにも恥ずかしくて、新入団選手のパンフレットには実際の体重より重く書いたことを今でもよく覚えてます(笑)

 レギュラー獲るまでは高校時代と同じように、とにかく体を大きくすることを考えていました。空腹状態を作らないよう、常に何かを口にしていましたね。

 食事のバランスを考え出したのは、レギュラーを取る少し前くらいからでしたね。20代中盤から後半に差し掛かってくると、いろんな先輩の話を聞くようになりましたし、ちょっとずつ意識して食事をとるようになりました。

 レギュラーを取るというのは短期決戦ではないので、同じ体調をいかに保つかが一番大事です。体調の良し悪しで欠場してプレーができなかったり、結果が出ないことへの言い訳を作りたくなかったというのが意識するようになったきっかけでした。
 

関連記事

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号