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食と体調管理

「自分が信じて本気で目指したらきっと叶うはず」トライアスロン日本代表・ニナー賢治がパリ五輪へかける覚悟とそれを支える食生活

元川悦子

2023.05.01

写真提供:日本トライアスロン連合

写真提供:日本トライアスロン連合

■東京五輪を経て目指すもの

――男子個人は14位、混合リレーは13位でした。パリ五輪に向けて改善していきますか?

「男子個人14位の結果に関して言うと、その時のベストパフォーマンスを出せたと思っています。その年に回ったワールドツアーは18位が最高位だったんで、五輪が一番好結果だったんです。

 東京五輪の後も自分はさらに強くなっていて、2022年は世界ランキング15位で終えることができました。2021年が43位だったことを考えると、大きく成長できたと思う。プロのオリンピアンとか、世界トップクラスしか出れないスーパーリーグというプロリーグがあるんですけど、そこでも日本人として初めて表彰台に上っています。よく戦ったシーズンだったと思っています。

 パリ五輪まであと1年3カ月ありますけど、今も伸び続けているという自信がありますし、どんどん向上している実感も持てています。世界トップ20位くらいになってくると、どこを直せばいいのか、どうしたらもう少し速くなるかを見つけるのが難しい段階になってくるんですけど、そこまで完成されつつある状態です。

 ただ、残された時間に向上する部分を見出せない選手は今の水準を保つことができても、向上してはいけない。僕らはパリまでにさらに向上できると確信していますし、データにも表れている。それを強く信じています。

 本当にメダルが取れるかは当日の問題。結果は分かりませんが、メダルを取れるだけのパフォーマンスは出すことができるだろうと考えてます。

――1年で世界ランキング43位から15位に上がったというのはすごいことですね。

 そうですね。2022年は後半は体調不良で苦しみましたから、今年はもっと行きますよ。今はコンディションもいいので、期待していただいていいと思います。
 
――ニナーさんはパリ五輪に全てを賭けているんですね。

 はい。僕はパリを最後に現役引退すると決めて取り組んでいます。

 トライアスロンは30歳前後が一番強いスポーツ。持久系の競技なんで、その先も続けた場合、もっといいパフォーマンスが出せるかもしれませんし、タイムもよくなる可能性もあります。ただ、自分の感覚やこれまで歩んできた過程から考えると、4年サイクルとして見た場合には、パリ五輪が最大のピーク。その4年後により強い状態になるとは考えられないんです。それはパリを最後に退こうと思うっている最大の理由です。

 もう1つ言うと、トライアスロンというスポーツは多くの人のサポートを受けなければ成り立たないんです。それは金銭面だけでなく、物質面も含めてですね。いろんなことを多くの人にお願いして、最高の環境を作っていただいているので、これ以上を求めるのが難しいと僕は考えています。

 周りの環境や自分のフィジカル・メンタルなど全てを考えた場合、今は一番の旬だと確信しています。なので、そこで最高の結果を残して、引退するつもりです。

――数学の修士号を持っているニナーさんらしい明確なビジョンですね。

 メダルを取れれば、トライアスロンが多くの人により注目されますし、メディアに取り上げられる機会も増えると思います。メダル獲得は僕らにとって悲願なんです。

 実は日本のトライアスロン人口は公式に30万人。、登録していない人を含めると80万~150万もいると言われています。想像以上に多いんですけど、表に出る機会はまだまだ少ないと思います。だからこそ、メダルを取ってもっとメジャーにしていきたい。そう村上コーチともよく話しています。そうなるように僕自身、全力で努力していきます。
 

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