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食と体調管理

「自分が信じて本気で目指したらきっと叶うはず」トライアスロン日本代表・ニナー賢治がパリ五輪へかける覚悟とそれを支える食生活

元川悦子

2023.05.01

■食生活

――ニナーさんはキノコが大好きだと伺いました。
 
 はい!毎日食べています。

――どんなキノコ料理を食べているのですか?
 
 麻婆豆腐だったり、味噌汁に入れたり、炒め物だったりですね。

――好きなキノコの種類は?

 マッシュルームやエリンギ、シメジなど、何でも好きですよ。オーストラリアにはエリンギはあまりなくて、スーパーに売っているのはシイタケとかフィールドマッシュルームですね。フィールドマッシュルームというのは大きなマッシュルームをイメージしていただければと思います。

 日本人の母が味噌汁や日本食を日常的に作っていたので、そこに入れて子供の頃から食べていました。

――料理は自分で作っている?

 はい、結構自分で作っています。僕の家は母だけではなく、父も料理をするんで、僕も以前からやっていました。

 ただ、そんなに時間をかけたくないので、フライパンでサッと焼くような簡単なメニューが多いです。そのうえで疲労回復とエネルギーを十分に摂取できるものがいいですね。

――キノコには腸内環境を整える効果もありますが、そこにもフォーカスされていらっしゃいますか?

 そのことも知っています。体調・腸内環境を整えることはアスリートにとってすごく大事なので、それも意識はしています。そもそも風味や食感が大好きなんで、毎日、あらゆる料理に入れて、味わっています。ある意味、ルーティンですね(笑)。

――トライアスロンは消耗が非常に激しいスポーツですが、レース前後に意識していることはありますか?

 トライアスロンは多くのカロリーを消費するスポーツなので、炭水化物を摂取することが多くなるんですけど、炭水化物だけに偏るのはよくないですし、栄養のバランスや必要カロリーを考えつつ、摂取しています。正確な栄養に対するストラテジー(戦略)を持っていなければ、いいパフォーマンスを発揮することはできませんからね。

 実は昨年、ノロウイルスにかかり、その後は腸内フローラの環境が悪化して、レースの結果も出なくなり、トレーニング自体もうまくできない状態に陥りました。そういう経験があるので、やはり腸内環境を整えることは大事。キノコはそれをコントロールしてくれる1つかなと。そういう意味でもキーになる食材なのは間違いありません。 
 
――最後にジュニアアスリートへのアドバイスをお願いします。

 トライアスロンに関して言うと、僕は本当に偉大なスポーツだと思っています。日本ではまだそれほど有名ではないので、もっとメジャーなってほしいんですけど、この競技は何歳からでもできます。小学生でも短い距離のトライアスロンがありますし、一度やれば必ず好きになると思うので、ぜひトライしてみてもらいたいです。

 そのうえで、夢があるんだったら、それを絶対に諦めてはいけない。他人は「ムリだ」と言うかもしれないけれども、自分が信じて本気で目指したらきっと叶うはず。僕はそう思っていますし、今も信じて前を向き続けています。


ニナー賢治/になーけんじ
1993年5月26日生まれ、175cm・67㎏
NTT東日本・NTT西日本所属、山梨県
カーティン大(豪州)ー西オーストラリア大(同)ーNTT東日本・NTT西日本

 93年、日本人の母、オーストラリア人の父の間にパースで生まれ、幼少期はテニス、サッカー、器械体操など複数スポーツに取り組む。トライアスロンと出会ったのは13歳の時。18歳から本格的に競技生活をスタートさせ、U-23まではオーストラリア代表として活動した。

 25歳の時に日本行きを決断。2018年12月から日本トライアスロン連合(JTU)所属としてレースに参戦。JTU強化指定選手としてワールドカップ、世界シリーズを中心にレースに出場。2020年日本選手権で初出場初優勝を飾った。

 2021年4月1日付けで日本国籍を取得。2021年夏の東京五輪出場権を獲得し、男子個人で14位、混合リレーで13位に。現在は2024年パリ五輪でのメダル獲得を目指し、競技人生の全てを賭けてトライアスロンに力を注いでいる。

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