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食と体調管理

「スキーなしの人生は考えられない」元フリースタイルスキー日本代表・上村愛子の途切れることのないスキーへの感謝と愛情。それを支える食生活

松原孝臣

2023.12.04

■食生活で意識してきたこと

--長い競技生活の支えには食への取り組みもあったかと思います。アスリートとして食について意識していたのはどのような点でしょうか。

 最初のうちはそこまで気にしていなかったと思います。今思えば若い頃は、好きなものだけ食べてしまったり、おかずだけ食べてご飯まで手が伸びなかったり、偏っていましたね。

 競技生活の後半になって栄養士さんに教えていただいて変化していきました。動く時間の割には糖質がすごく足りないタイプで、そのために反復練習ができないこと、食べることで練習の内容を濃くできたり練習量を増やせることを学んでいきました。

 食事の内容にこだわってしっかり取り組むようになってからはそれこそ風邪をひかなくなったり、練習で今までの倍滑れるようになったり、変化を感じられるようになっていきました。

――海外遠征も多かったと思いますが、どのように工夫していたのでしょうか。

 好き嫌いはそんなにないタイプなので、その点では苦労はあまりなかったです。

 ただ、和食を作ろうと思うと、出汁を取らないとおいしくないじゃないですか。その出汁をとるのが海外だと大変なので、逆に洋食にしたり、それこそトマトとチキンと野菜ときのこを一つの鍋で煮てそれを食べたりしていました。

 主食も主菜もこうじゃなきゃいけないってこだわるのをやめた方が海外では戦いやすいんだなってけっこう早めに気づいて、必要な栄養素をちゃんととることを心がけました。今もスキーをしたりSUPをしたりけっこうアクティブに動いているので、自分の好きなスポーツを楽しめるくらいの筋肉はなるべく長く持ちたいなと思っていて、選手の頃に身につけた食材の選び方などを今も応用しながら生活しています。
 
――食材としてのきのこの印象を教えてください。きのこはお好きでしょうか?

 高1、高2くらいだったと思うんですけど、体力測定の中で体脂肪量の項目があって、18%を切れなかったんですね。体脂肪を落とす方法が分からなくて、めちゃくちゃ走ったりもしたのですが、そのとき糖質をカットしようとご飯と一緒に刻んだきのこを一緒に食べたりしていました。

 たくさんきのこを食べたんですけど、その後いろいろな料理法をやったことで好きになりました。炊き込みご飯やおこわに使ったり、お味噌汁に刻んで入れちゃったり、鍋物には絶対キノコを入ります。しめじ、椎茸、エリンギは常日頃から食べられますしね。

――キノコは栄養面が高く低カロリーです。腸内環境の改善の働きもありますが、ご存じだったでしょうか。

 はい。知っていました。

 スポーツやっていたときに体力測定や栄養を学んでそれを取り入れて、やっていて面白かったのは、ある意味自分の体の実験じゃないですか。ですから、自分の体で実験してみたいですね。きのこを断った1か月と普段のきのこをたくさんとっている食事、どう変わるのか測定してみたいです(笑)。

 振り返ってみて、しっかり栄養をとっていると高強度の練習ができたりとか達成感をもてる技術が出せたり、そこのつながっているのは体験としてはあって、その中できのこはかなり大きな存在だと思うんですよね。断ったことがないので、食べなかったときに自分の体がどうなるんだろうとは思います。それくらい食べていましたし、今もめちゃめちゃ食べます。
 

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