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食と体調管理

「スキーなしの人生は考えられない」元フリースタイルスキー日本代表・上村愛子の途切れることのないスキーへの感謝と愛情。それを支える食生活

松原孝臣

2023.12.04

■変わることのないスキー、雪山への思い

――インスタでご自身がスキーを楽しむ姿や、雪山の景色など美しい写真を投稿されています。スキーや雪山への思いに変わりはないでしょうか?

 私の中では冬には雪が降るって一生だと思っていたんですね。自分も次の世代もその次の世代も雪で遊びたい子は遊べると思っていましたし、地球温暖化や気候変動は自分の住んでいる枠の外の話とちょっと思っていたんですけど、今当たり前にあるものが変わるかもしれないと気づいてから、すごく貴重なものなんだと思うようになりました。

 だからこそ毎冬雪が楽しみだし、その景色を見れたときには残しておこうと思って写真を撮っています。特にバックカントリースキーを始めて、今まで知らなかった雪や山の景色が見えるようになって、大事にしたいなという思いがあります。

―――スキーとはどのような存在でしょうか。

 やっぱりスキーはすごい楽しくて、選手をやっていたから身についている技術、スキーを走らせて風を自分が感じたり、スピード感をもって速く滑ることもゆっくり滑ることもできるのはやっぱり宝物だなと思っています。冬になって雪が降ってくれて、スキー場がオープンしたら今年も滑りに行こうと毎年できる人でいたいです。

 スキーなしの人生はちょっと考えられないですね。あの場を滑りたいと思うから何かチャレンジしようと思えるというか、スキーのことを考えると元気でいようと思うし、スキーがない自分はいないんじゃないかなって思うくらいです。これからも冬に雪が降るのが当たり前であってほしいです。

――最後に、スポーツに励むジュニアアスリートへのアドバイスをお願いします

「スポーツ」と自分の中で定義できるものを楽しめる体でいる、イコール、歳をとっても健康でいるということかな、と自分の中では感じています。

 体を動かすことっていい意味での副産物がすごく多いと思うんです。のんびり家でテレビを観ていたり本を読んだりするのも好きなんですけど、基本、そういう時間って体を動かさないじゃないですか。体を動かして体があったかくなる、そういうことを楽しいと思えるのが大事な気がしていて、長く体を動かしたいと思えるもの、やりたいことが人生の中にあったらいいなとずっと思っていました。自分はそれがスキーです。

 もう一つ、海外の人ってスキーでも形はお構いなしなんですね。自分楽しいと思えるように取り組んでいて、日本の方はやっぱり答えを求めがちというか、いいと言われるものを身に着けようとしがちです。それもそれで素晴らしいスタイルだと思うんですけど、小さいときの私が育ったみたいに、雪の上に立って風を感じる、それが楽しいからスキーをしたい、もっと速くなりたいから、スキーを踏むという技術も覚えたい。そして体を動かして気持ちいいなって感じられる。

 何かしらそういうものが見つかるとすごく豊かになるかなと思いますし、やりたいことが一つ増えるといいな、と思います。
 

<プロフィール>
上村愛子(うえむらあいこ)
1979年12月9日生まれ、兵庫県伊丹市出身

長野県白馬村で育つ。フリースタイルスキー・モーグルの第一人者として長年に渡り活躍。高校3年生だった1998年に長野オリンピックに出場、以後2014年ソチまで5回連続でオリンピックに出場。すべての大会で入賞している。2007-2008シーズンのワールドカップでは総合優勝、2008-2009シーズンの世界選手権ではモーグル、デュアルモーグルの2冠達成。2014年3月、引退を表明。同月の全日本選手権で8度目の優勝を果たし有終の美を飾った。引退後は幅広く活動。2022年、イラストを手がけた『ゆきゆきだいすき』を出版。
 

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